本日の1枚 Jeff Moore & Friends

 Jeff Moore & Friends / The Youngest Son (CD)

The Youngest Son

The Youngest Son

 
 1974年にカナダの高校生が自主制作したアルバム。
 ドリーミーなアシッド・フォーク幻の名盤、みたいな宣伝を見て購入したものなんですが、いい意味で裏切られました。
 
 まず冒頭の『Flying So High』は、ネオアコ・フィーリングなジャカジャカ・ギターのポップ・ソング。しかも女性ヴォーカルなんですね。ヘタウマっぽいけどサビでは見事に伸び上がる歌声と、耳に親しみやすいメロディがなかなかに素敵な逸品。
 女性ヴォーカルのもう1曲『Blind Man』は、確かにアシッドな趣のフォーク・ソング。儚げな淡いサイケ感がこれまた素敵な逸品です。
 
 ジェフのヘナチョコな歌声もヘボい演奏もアノラック風な『For You』、美しいアコギの音色にお世辞にも上手といえないホーンの音色がある意味プログレッシヴな『Sandy's Song』、静謐な美しさを翳らせるドリーミーさが好い『Call Me When It's Over』とか、どれもいい味出してますね。
 ソング・ライティングの確かさとヴォーカル・演奏の不確かさが奇跡的に生み出した、アノラック・テイストの名盤といえるでしょう。