本日の1枚 April March

 April March / Superbanyair (CD)
 
 
 60年代フレンチ・スタイルな歌声と音だけど実は米国人な彼女が、1997年にリリースしたアルバム。
 日本盤でも出てたんですけど、いつの間にやら廃盤になってる模様。「使い捨て」タイプの音楽なので仕方ないとは思うけど、まぁ残念ですね。
 
 ベルトラン・ブルガラが手がけたこのアルバム、もちろんフレンチ志向で固められてるんですけど、当時のラウンジ・ポップなトーンで統一されていて、ちょっとインチキっぽい洒落たポップ感がとっても心地良いし可愛らしい。
 普通に歌ってもイエイエ風に聴こえる彼女の声質を、ベルトランも彼女本人もよく理解していることが窺えます。
 
 冒頭の『Garden Of April』は、洒落たムード・ラテンなイージー・ミュージックを背景に「パッパラ〜」ヴォーカルが素敵な逸品で、アルバムの方向性をまずは確認。
 軽やかにグルーヴィなオルガン・ジャズ・ファンク『Charlatan』とか、フランス語の響きの妙が活かされてますね。
 グルーヴィさではダントツの『Mignonette』は、アッパーなイエイエ系の楽曲にキュートなロリータ・ヴォイスが光ります。これがお気に入りなんですけど。
 メロウな『Garcon Glacon』、洒落たエレクトロ・ブレイク・ビーツな『Keep In Touch』、トイ・ポップ系の歌声がキュートな『Pas Pareil』、シンプルなフレンチ・ボッサ『Martine』などなど。
 
 音楽的な「質」を問われれば「すいません」て感じですが、こんな風にただ消費され楽しまれるだけの音楽も僕は愛しています。
 
 
 April March / Mignonette