本日の1枚 Pharoah Sanders

 昨日紹介したロニー・リストン・スミスを好んで聴いていた時期に、しこしこ買い集めていたレア・グルーヴ名盤を何枚か。まずは、サックス奏者のファラオ・サンダースロニー・リストン・スミスが参加した盤もあるのですが、超名曲『You've Got To Have Freedom』を収録したこの盤を。

JOURNEY TO THE ONE

JOURNEY TO THE ONE

 '60年代にはコルトレーンのグループにも参加していた米国のテナー・サックス奏者の'80年の作品。スピリチュアル・ジャズとして括られるアルバムですが、そのグルーヴィさ故にクラブ・ジャズな人たちにも人気があるようです。
 僕もジャズとしては聴いてないですね。宇宙志向のブラック・ミュージック、て感じかな。荘厳な雰囲気ながらも音自体は割りと小洒落ていて、リズムの感覚はアフロなグルーヴィさを秘めていて、単純にカッコ良い音楽として楽しめます。
 日本の琴の音をフィーチャーした『Kazuko』(叔母の名と同じだ・・・)、シタールの音を前面に出した『Soledad』といった怪作も素敵ですが、やはりこの盤の目玉は『You've Got To Have Freedom』。叙情的なピアノから始まり、「ブヒ〜」てサックスの音においおいって思ったら、美しい女性ヴォーカルが挿入される、この流れがもう最高。タイトルどおりに自由で、そして力強い躍動感を感じるジャズ・ファンク。スピリチュアル系の作品だと、どうしても世間に背を向けたような印象のものが多いけど、この曲は世俗にまみれながらも悟りを目指しているようで、そこに親しみのような情を感じます。