本日の1枚 Ramsey Lewis

 昨日ファラオ・サンダースの盤を探しているとき、なぜか誤って頭に浮かんでいたのがこのジャケ。なんとなく、「ファラオ」っぽくないですか。

Sun Goddess

Sun Goddess

 もともとはクラシック・ピアノを演奏していたという、ジャズ・ピアニストのラムゼイ・ルイス。彼の弾くピアノはなぜかニュー・ソウルな感触があるのですが、それ以外にもどこか知的なクールさを感じます。
 さて、これは'74年に録音した作品。この盤ではピアノではなくエレピやシンセを演奏しています。
 ゲストには、'60年代にラムゼイ・ルイス・トリオでドラムを叩いていたモーリス・ホワイトや、チャールス・ステップニー、フィリップ・ベイリー、ヴァーダイン・ホワイト(モーリスの弟)などが参加しています。モーリス・ホワイトはタイトル曲ともう1曲のプロデュースも手掛けています。
 で、そのゲストの顔ぶれから分かるとおり、音はかなりEW&Fです。太いリズムとライト・メロウなサウンド、優しいアレンジが生み出す、柔らかなグルーヴ感がたまらなく心地良い。
 特に1曲目の『Sun Goddess』、こりゃもう8割方アースの曲ですね。じわーんと広がっていく音の波にエレピが浮遊して、そしてフィリップ・ベイリーの歌声が「パッパラッパ〜」って。最高のクワイエット・グルーヴ。
 エレピ中心のメロウ・ファンクでスティービー・ワンダーをカヴァーした『Living For The City』、アフロ・トライバルなリズムと呑気な掛け声が素敵な『Jungle Strut』、奇妙な味わいのジャズ・ロック『Gemini Rising』も大のお気に入りです。
 どうでもいいですが、オリジナル日本盤のライナーには、エレピのことを「電気ピアノ」と記しています。なんかいいですね。