本日の1枚 Spirogyra
なんとなく英国フォークな気分なので、「ブリティッシュ・フォークの3美神」の1つ、スパイロジャイラのアルバムを聴いてました。この辺はあんまり詳しくないのですが、女性ヴォーカルものを中心に少しずつ手を広げています。
このバンドを聴くキッカケになったのは、ヴォーカルのバーバラ・ガスキン。もともとハットフィールド・アンド・ノースで彼女の歌声の虜になっていたのですが、別にヴォーカルを務めていたバンドがあると知って、それで名作と言われる3rdアルバムを買ったのが始まりです。
スパイロジャイラは3枚のオリジナル・アルバムをリリースしていて、バーバラ・ガスキンの歌声がピッタリとハマる3rd『Bells, Boots & Shambles』が一番好きなんですが、ちょっと前に id:huraibou さんが日記で取り上げられましたので、今日は1stアルバムを紹介することにします。
- アーティスト: Spirogyra
- 出版社/メーカー: Repertoire
- 発売日: 2002/11/13
- メディア: CD
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その何をしたいんだかわからない捻れたポップさこそがこのバンドの魅力の1つでありましょう。「実験的」と書いたけど現代音楽のような小難しい方向に向かうわけでもないし、「グネグネ」と書いたけどサイケデリックな方向に向かうわけでもない。あくまでもポップな領域に踏みとどまっているのだ。
もちろんこのバンド最大の魅力は、バーバラ・ガスキンの美声でしょう。神秘的で気品あふれる歌声は、陳腐な表現ですが、心が洗われるような気がします。やや土着的なフォーク・サウンドであっても、捻れたサウンドが奇抜に変化していこうとも、声を合わせる男性ヴォーカルがヘンテコであっても、彼女が声を発するだけで美しく昇華されてしまうような錯覚をおぼえます。
ま、でも、やっぱり男性ヴォーカルのマーティン・コッカーハムの歌声はちょっといただけないですね。初めて聴いたときは、なんとなくドラム缶の上でジャイアンが歌う姿が浮かびました。僕はまだ慣れません(笑)
酷い叫び声をあげるコッカーハムの後ろでバーバラ・ガスキンが美しいコーラスを聴かせる1曲目の『The Future Won't Be Long』から、激しく珍妙に転調するアレンジが炸裂していきます。キコキコとノイズをあげるヴァイオリンがなんか凄い。一番好きな曲は『Love Is A Funny Thing』。凝ったアレンジにも関わらず奇抜さを感じない美しい曲で、コッカーハムの邪魔が少ない点も素晴らしい。ちなみに『Time Will Tell』はバーバラ・ガスキン1人がヴォーカルを取っていて、彼女の美声を堪能するにはこの曲ですね。