本日の1枚 Masha Qrella
- アーティスト: Masha Qrella
- 出版社/メーカー: Morr Music / M.M.
- 発売日: 2005/03/08
- メディア: CD
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前作同様、フォーキーなエレクトロニカです。基本的には打ち込みリズムにアコギ、歌声が中心のシンプルなアレンジですが、時折キラキラと電子音の音色が挿入されます。
この人の魅力は、静謐で薄く、冷たい空気感。メロディはメランコリックなんだけど、全然甘みが無くて、どこかヒンヤリとしてるんですね。透き通ったヴォーカルはジェントルなんだけど、包み込まれるようなタイプじゃなくて、ちょっと離れた距離から優しく諭されているような感じで。
そろそろ春になっちゃうけど、モノクロの冬景色が似合うような儚さが素敵で、触れれば溶けて消えそうな、あやうくユラユラした浮遊感に惹きこまれます。
前作に比べると、ちょっとビートが強まったり、エレクトロニクス度合いが高まったりしてます。ポップさが強まるのは好いですが、シンプルな美しさだけでも勝負できる人なので、変に色気を出さない方が良いように思えます。
特にフィードバック・ギターの挿入はちょっと疑問。耽美な方向に向かっちゃうと、この人の魅力が失われていくような気がします。
オープニングのタイトル曲は、電子音などの彩りが施されてはいるものの、音と歌声との隙間のバランスが素晴らしく切ない。ほとんどアコギと歌声のシンプルな構成の『Sisiter Welcome』が一番のお気に入り。この人は絶対SSW路線のほうが向いてるって。