本日の1枚 Lil Louis
ハウスのレコードはほとんど実家に置いています。連休に何枚か取りに帰ろうと思ってたんだけど、僕だけでなく嫁や娘までもが咳で苦しみ始めたので、たぶん行けないだろうなぁ。
とりあえずコレは持ってきてました。
Lil Louis / French Kiss (12" single)
この人もシカゴ・ハウス重鎮の1人ですね。彼の最大の功績は、ハウス・ミュージックに明確に「エロ」を吹き込んだことでしょう。
彼の代名詞にもなっている名曲がこの作品。おかげで彼は「変態」と称されることになりました。
'88年にリリースされたシングルで、追い立てられるようなアッパーなトラックで、疾走感が強烈なハウス・クラシック。
そのハードなミニマルさは、むしろテクノに影響を与えているのではないかと思われます。デリック・メイがこの曲をリスペクトしていることは有名な話ですね。
機械音の単純な繰り返しだけで官能的な音のウネリを作り上げているのも見事としか言いようがないですが、やはりこの曲の目玉は女性の喘ぎ声のサンプリングでしょう。
実は喘ぎ声ネタそのものは、この曲以前にもフランキー・ナックルズなどによって使われており、決して珍しいモノではありませんでした。
この曲の凄さは、喘ぎ声に合わせてピッチが変化することに尽きます。
テンポがスローダウンしていくかと思いきや、今度は激しくスピードアップしていく。
正確にリズムを刻むことでグルーヴを生み出すというハウス・ミュージックの基本概念を、エロを利用することでブチ破るなんて。その衝撃はとても大きなものでした。
ちなみにこの曲はハウス・ミュージックとしては異例の大ヒットとなり、なんと総売上が400万枚を超えたそうである。
いやぁ、やっぱりエロの力は強いですね。