本日の1枚 Remembrance Days of 80's
aiko bon を読んで、aiko が影響を受けた音楽をとても興味深く感じています。
「Favorite CD 30 Selections」では、岡村ちゃんからジャクソン・シスターズ、ボビー・コールドウェルなど、なるほどaikoの音楽性の原点を感じるモノが並んでますが、特異なのはやっぱ少年ナイフでしょうか。
インタビューでは高校時代に結成したバンドで少年ナイフをカヴァーしてたこと、同時期にスピリチュアル・ヴァイブスを好んで聴いていたことなどを答えていて、うーん、とても興味深いなぁ。
少年ナイフ / Buring Farm (10")
もう20年以上も前、高校1年のとき、音楽好きの中学時代の友人に連れられて初めてライヴ・ハウスに行きました。
そのとき出演していたバンドの1つが少年ナイフ。
びっくりしました。
女の子3人がニコニコ笑いながら、アホすぎる歌詞の歌をガチャガチャとパンキッシュに演奏していて、なんだか分からないけど、凄い、と思いました。
特に感動的だったのが『亀の子束子(タワシ)のテーマ』て曲。
亀の子束子 亀マーク
一粒選りの 亀マーク
マークはマークでも
一粒選りの 亀マーク
歌詞はたったこれだけ。数十秒の曲。・・・、参りましたね。
感動して「もう1回やって!」て叫んだら、リクエストに答えて何度も(10回以上も!)この曲を演奏してくれました。
友人の目的はその後に出演したバンドだったのですが、僕も友人もすっかり少年ナイフの魅力の虜になってしまいました。
これは、1983年に京都の zero records て激インディなレーベルからリリースされた、少年ナイフのファースト・アルバム。
トホホな歌詞世界とロー・ファイな演奏、稚拙な歌声。
うわ、こりゃ酷い、との第一印象が、聴いてるうちになぜかどんどん変わっていきます。
チープで飾り気の無いド下手サウンドはガレージ・パンクぽくもあるんだけど、歌詞以外からも発せられるホノボノとした間抜け感がそれを包み、珍妙な味わいがなんとも面白い。
そして、キュートでカッコ良い。
裏ジャケには普通の格好をした女の子3人の写真が掲載されてますが、パンク・ファッションに身を包んだバンドよりもよっぽど印象は強烈だ。
前述の『亀の子束子のテーマ』のほか、ガレージぽさ抜群の『Twist Birbie』やアホっぽさ抜群の『象のパオパオ』、オーガニックさ先取りの『Burning Farm(焼畑農業のうた)』など、名曲(?)が揃ってます。
ガチャガチャしたパンク・サウンドに稚拙な声で可愛らしい歌詞を歌う、なんてバンドも今では腐るほど存在していますが、その原点が少年ナイフのこのアルバムだと思います。
何より、「ウケ狙い」な感じが全くしないところがいいんですよ。
僕がライブを見た2年後の1986年に米国デビュー、そしてソニック・ユースやニルヴァーナのツアーに前座で演奏し、世界で最も有名な日本人バンドとなったんだから、世の中わからないものです。