本日の1枚 Chorus & Harmony
最近なぜか購入ブツに占めるJ-POPの割合が高くなってきてるような気がします。特に何か意識してるわけではないのですが。
と言いつつ、夏にはブラジルものを聴くことが多いですね。火照った身体をクールダウンしてくれそうな。
Salinas / Paz, Amor E... Samba (CD)
ブラジルの男女4人のコーラス・グループ。
以前に「Review」で紹介したときには、ジャケを評して「しょぼい眼鏡男4人」と書いたのですが、よく考えると1人は女性のはずですね。
これは失礼しました。「しょぼい眼鏡男3人としょぼい眼鏡女1人」と言い直しておきましょう。
さて、そんな眼鏡4人が織り成すハーモニーは、ジャケからは全く想像できない程に繊細なポップさが光っています。アントニオ・カルロス&ジョカフィやジョルジ・ベンなどのサンバ名曲を柔らかくグルーヴィにカヴァーしているのですが、キュートな女性ヴォーカルやワルター・ワンダレイぽいオルガンなど、ソフト・ロッキンな感覚も感じる素晴らしくポップなサンバ・アルバムなんです。
ソフトでありながらもリズムはあくまでも土着的なしつこさがあって、洒落た繊細さと情熱的なトライバルさが混在した、ブラジルのコーラス・グループらしい魅力を十分に堪能できます。
1曲目のジョルジ・ベンのカヴァー『Tenha Fe, Pois Amanha Um Lindo Dia Vai Nascer』はクイーカ(サンバでよく使われるパーカッション)の響きと、アコギのカッティング、歌声の小刻みな振動が生み出す、小さく広がるグルーヴィさがカッコ良い。
3曲目のアントニオ・カルロス&ジョカフィのカヴァー『A Morte Do Amor』は高速なサンバのリズムにのせられるキャッチーなメロディが印象的で、ピタッとヴォーカルを止める間の取り方が素敵です。
お気に入りは5曲目の『Jangada』。古いサンバ・カンサォンの曲らしいのですが、じわじわとグルーヴィな抑えたアレンジも、柔らかなコーラスの重ね方もソフト・ロッキンで、グネグネと曲がりながらも心地良い曲です。