第14回セレクト合戦 勝手にレビュー ショック太郎さん編

 本日のレビューは、ショック太郎さん。
 60年代の曲を中心に選ばれてるんですが、いつになくゴージャスでカラフル・サイケなポップさに溢れたセレクトでした。
 これまで聴いたショックさんのセレクトからは、淡い色彩またはモノクロなポップさを感じていたのですが、今回は色合いの濃い、しかもそれが粘っこく渦を巻いているような印象を受けました。爽やかな音やコーラスを中心に据えた曲が多いのに、コッテリした味わいを強く感じるのが不思議です。
 耳から離れないキャッチーさと目まぐるしく微細なサイケさは、やはりショックさんらしいポップなセレクトだとは思います。
 
 ちなみに手持ちは1枚も無しで、既聴の曲は有名曲の(11)のみでした。こんなに素敵な曲ばかりなのに知らないものばかりだなんて、まだまだ自分の修行の足りなさを感じております。
 
 収録されている曲目は、
 01. Number Nine / Van Dyke Parks (1968)
 02. Little Girl Lost-And-Found / The Garden Club (1968)
 03. (He's Our Dear Old) Weatherman / Mark Wirtz (1968)
 04. I'm Waiting For The Day / Peanut (1966)
 05. Here Today / The Robb Storme Group (1966)
 06. It's As Easy As 1,2,3 / Jill Gibson (1966)
 07. Summertime Girl / Tradewinds (1965)
 08. The One You Can't Have / The Honeys (1963)
 09. Have To Be Myself / The Sunrays (1966)
 10. Happy Bubble / The Tingling Mother's Circus (1968)
 11. Thru Spray Colored Grasses / Dino, Desi & Billy (1969)
 12. While The Children Play / Petula Clark (1966)
 
 (01) は、ヴァン・ダイクによるソフト・ロッキンな「第九」で、いきなり参りました、て感じです。アレンジはジーン・ペイジだそうで、らしい派手なオーケストレーションの華麗さと、ぼよーんと微サイケなポップさがとてもカッコ良いです。これは欲しい。
 (02) は、おもちゃ箱系のサイケ・ポップ。フラワーな能天気グネグネ感がたまらない。もうイントロからモロに好みで、これが一番のお気に入りです。
 (03) は、こちらも何が飛び出すか分からないおもちゃ箱系サイケ・ポップ。怒涛の勢いで繰り出される極彩色の音の洪水に、黙って身を浸して快感を得ましょう。
 (04) は、「ペット・サウンズ」収録曲をガール・ポップにカヴァー。ドコドコ・リズムとコーラスで一気に盛り上げるアレンジが素敵ですね。
 (05) は、同じく「ペット・サウンズ」からのカヴァー。ぶ厚く折り重ねられた音とコーラスの迫力に圧倒されます。これでどうだぁ、て感じ。
 (06) は、ジャン&ディーンのジャン・ベリーの恋人とのこと。稚拙系キュートな歌声が素敵なガール・ポップ。ゴージャスなアレンジはジャンが手掛けているのかな。コロコロと姿を変えるドラムが素晴らしいですね。
 (07) は、西海岸から一気に東海岸へ。甘くドリーミーなソフロ・サウンド、50'sポップスなフォーリングも感じ、すっごくアメリカン・ポップスしてますね。ショックさんが解説に「達郎に歌って欲しい」と書かれたのも頷けます。
 (08) は、ブライアン婦人たちによるガール・グループで、プロデュースもブライアンが手掛けたそうですが、なんかスペクター系の曲ですね。可愛らしい軽快なポップさが素敵。
 (09) は、ブライアンの父が作り上げたビーチ・ボーイズのクローン・グループ。キャッチーさは本家を超えているかも。出だしの「オッオッオー」てコーラスだけでKOされました。
 (10) は、ソフロ系のスウィートなサウンドの周りを、キラキラと細かい光の粒子が舞い踊っているようなサイケ・ポップ。穏やかなようでどこか不安定な歌声も素敵です。
 (11) は、ソフロ名盤サントラ「Follow Me」からの1曲。A&M系の柔らかなイントロからメロディが美しく伸び上がっていく様がとても心地良いです。後半の突然なオーケストレーションもなんかいい感じ。
 (12) は、トニー・ハッチの曲とのこと。背後に流れ続ける「ラーララ」て子供コーラスがとても好きです。
 
 ↓ショック太郎さん本人の解説はこちら
 http://mondoshock.hp.infoseek.co.jp/selectcd7.html