第14回セレクト合戦 勝手にレビュー trippyさん編

 本日のレビューは、trippyさん。
 何が飛び出すかわからないがtrippyさんのセレクト、今回は97年から98年にかけての歌謡曲から選曲されています。
 その頃はちょうど僕がJ-POP、歌謡曲から全く離れていた時期にあたります。その後、モーニング娘。の吸引力で戻されたんですけどね。関係ないですが、98年といえば、そのモーニング娘。がデビューした年でもあります。
 なぜ離れていたか、その理由は単純に面白味を感じられなかったから。まだ全盛期とはいえ小室サウンドにもすっかり飽きてしまい、メディアから情報を得られる歌謡曲に何の魅力も見出せなくなってたんです。
 今回のtrippyさんのセレクトを聴いて、自分の発掘力の未熟さを思い知りました。こんなに面白い曲を探せば見つけられたんですから。レンタル落ちのシングル・ハントを欠かしちゃいけませんね、やっぱり。
 
 収録されている曲目は、
 01. 恋の呪文はヤムヤムヤム / 櫻田宗久 (1997)
 02. 恋はC'est si bon / 佐々木ゆう子 (1997)
 03. ドッキンNightにラララDance / SPACE ALL STARS (1997)
 04. ふたりの浜辺で / フリップフラップ (1998)
 05. 硝子の少年 / Kinki Kids (1997)
 06. 笑顔 / 菊池麻衣子 (1998)
 07. セックス / かかし (1997)
 08. じゃがバタコーンさん / ManaKana (1998)
 09. シャナナナナ / Dick Lee (1997)
 10. Shoobie Doobie Doing ! / 鈴木蘭々 (1997)
 11. FIRE! FIRE! / Folder (1998)
 12. 愛のメロディー / 佐藤聖 (1997)
 
 (01) は、70年代風のアイドル歌謡に微妙に施されるダブ処理が面白い曲です。ヘンテコなようですが実は筒美京平作品らしい。耳から離れないキャッチーなポップさはさすがですね。
 (02) は、続いてレゲエ・フィーリングを微妙にリズムに宿したアイドル歌謡。ちょっぴりガレージ・ポップなアレンジからサビでポーンとキャッチーに変化する様がたまらないですね。これが一番のお気に入りです。
 (03) は、「むじんくん」CMの曲をファンキー歌謡に発展させたもの。『ダンス天国』系のラララ・コーラスも、勢いに押されるノリも素敵です。
 (04) は、普通のアイドル歌謡を無理矢理ディスコ調にアレンジしています。チャカポコ・リズムの疾走感がいいですねー。これもサビのキャッチーさが素晴らしい。ちょっぴり効果的に挿入されるシタールの音色もナイス。
 (05) は、僕もカラオケで歌うほどの超有名曲ですが、イントロの4つ打ちリズムに参りました。こんなんでしたか、いい感じにシカゴ・ハウスしてますね。
 (06) は、キラキラ爽やか系のアイドル・フォーク歌謡ですが、時代を反映してか密かにドラムンベースしてるリズムが面白いですね。
 (07) は、タイトル酷すぎますね。「せっ」で始まる思わせぶりな文章をラップ調で語る歌詞もまた酷すぎます。「せっるじお・めんです聴きながらー」には倒れました。トラックの軽やかな繰り返しもクセになります。
 (08) は、コラージュをノイズで固めたガレージ歌謡。「ちびまる子ちゃん」エンディング曲ですが、やはり子供向けの音楽にはアバンギャルドさが必要であることを実感。
 (09) は、童謡を4つ打ちリズムに織り込んだダンス・ポップ。子供コーラスが素敵ですね。これは欲しいです。
 (10) は、鈴木蘭々!大好きでした。NYガラージ系のハウス・トラックに小粋なサンプリング、ちょっぴり舌足らずでキュートな歌声。こういうアレンジの感性にJ-POPの奥深さ、魅力を感じます。
 (11) は、やっぱりこの歌声は最高ですね。(10)と同じく小森田実の作品で、こちらも同様にガラージ・ハウスなトラックに、ジャクソン5な曲展開が素晴らしい。
 (12) は、もはや懐かしいものとなった朝本浩文の音。ちょっぴりEW&Fテイストを感じるAOR系のトラックが心地良いですね。
 
 ↓trippyさん本人の解説はこちら
 http://d.hatena.ne.jp/spiritjack/20051225