第14回セレクト合戦 勝手にレビュー P5さん編

 本日のレビューは、P5さん。
 P5さんセレクトの裏テーマは「夫婦対決」。これは素晴らしいアイデアですね。「紅白歌合戦」てメイン・テーマならではの企画。フラマンさんの「同曲対決」と並んで、僕のなかではアイデア大賞です。
 ジャケ(「Mr. And Mrs. Smith」)の意味を考えながら聴いていたので、3&4曲目で裏テーマに気付きましたが、もしもジャケが無ければ全く気付かなかったかもしれません・・・。
 今回はソウル系が控えめでブラジル系を中心に選曲されてるので、僕にとっては馴染みのある曲が多く、ゆったりとした気分で聴くことができました。
 
 収録されている曲目は、
 01. Mr. And Mrs. (Be Nice To Each Other) / Jackie Trent (1975)
 02. Down Town / Tony Hatch Orchestra (1965)
 03. Cara De Paquera / Anamaria E Mauricio (1972)
 04. Garra / Marcos Valle (1971)
 05. Tem Do / Wanda De Sah (1965)
 06. Chovendo Na Roseira / Edu Lobo & Antonio Carlos Jobim (1981)
 07. I'm Living In With A Memory / Barbara Acklin (1971)
 08. We Belong Together / Eugene Record (1978)
 09. Gringo En Mexico / Maria Muldaur (1974)
 10. Memphis / Jim Kweskin Jug Band (1965)
 11. You Didn't Have To Be So Nice / Astrud Gilberto (1967)
 12. Valsa (Como Sao Lindos Os Youguis) / Joao Gilberto (1973)
 
 (01) は、A&Mポップ系なホノボノとした暖かな雰囲気が素敵。絶対に米国ものだと思って聴いてたので、アーティスト名を見て驚きました。
 (02) は、ドドーンとゴージャスに畳み掛けるオーケストレーションに心躍るインスト曲。盛り上がりますねー。
 (03) は、ブラジリアン・ソフトロックな男女デュオ。柔らかな音色と2人の歌声が素晴らしいセカンド・アルバムから、ファンキーなオルガンがカッコ良い曲です。メロウさにはソウル音楽からの影響も感じられ、アルバムからこの曲を選んだところにP5さんらしさを感じます。僕なら『Recungue』かなぁ。
 (04) は、そしてそして、マルコスのアルバムをほとんどお持ち(のはず)なのに、このアルバムから1曲を選ばれたのがまたP5さんらしい。米国のソウル、ロック、ポップスからの影響をモロに感じる要素がいっぱいあって、でもしっかりブラジル音楽なところが素晴らしいですね。
 (05) は、少ない音数のシンプルな演奏で、こんな柔らかさを表現できることに驚いてしまうボサ曲。ファースト・アルバムからの1曲ですが、後年の「上手い」歌声よりも、この頃のヘタウマ系なキュートさが好きです。
 (06) は、ズッタッタとワルツなリズムのボサ。3拍子の曲って、なぜか心落ち着きますよね。軽やかなムーディさが素敵です。真夜中にグラスを傾けながら聴きたい曲。
 (07) は、突然のシカゴ・ソウル。ストリングスとエレピの刻みがカッコ良すぎるイントロ2秒で参りました。小刻みなグルーヴィさと「あー、やっ!」て掛け声が最高です。もちろん歌声もいいですけどね。これは買います。
 (08) は、さざ波のようなゆったりとしたグルーヴ感が心地良いシカゴ・ソウル。この2人が夫婦だったことを初めて知りました。
 (09) は、長老派に叱られそうですが初めて聴きました。なんとなく泥臭いイメージを持ってましたが、なんだか洒落たアレンジですね。
 (10) は、ジャグ・バンドてのはもう全く未知の分野なので的外れなこと言ってしまいそうですが、泥道をゆっくり行進しているような穏やかな渋さがいい感じです。
 (11) は、ラヴィン・スプーンフルの曲を子供とのデュエットで。とっても可愛らしい。子供ものでセレクトを作るなら絶対収録したいと思ってた曲ですが、なんと2回目の登場なんですね・・・。
 (12) は、ラストも3拍子のボサで。ジェントルなスキャットが静かに響きます。今回はメイン・テーマが「紅白:なだけに、ラストを盛り上がり系で締めた方が多かったような気がしますが、こんな風に穏やかに締めくくるのもまた素敵ですね。
 
 ↓P5さん本人の解説はこちら
 http://www4.ttn.ne.jp/~sa-hiro/SELECT-14.htm