本日の1本 コフィン・ジョーのおまえの魂、いただくぜ!!!

kobbanova2006-02-18

 スカパー「ホラーTV」でコフィン・ジョーの作品4作を放映しています。素晴らしい!!
 
 コフィン・ジョーのおまえの魂、いただくぜ!!!

 親友の恋人テレジーニャに横恋慕してしまったコフィン・ジョー。彼は自分の欲望を満たすためには手段を選ばない男なのだ。まずは邪魔な妻を殺害し、その次に親友を殺害する。しかし、ジョーに強姦されたテレジーニャは首を吊ってしまう、、、て、ストーリーです。
 
 半世紀以上もカルト作品を撮影し続けるブラジルの映画監督コフィン・ジョー。その彼が監督だけでなく主演も務める作品です。
 ジョーの怪奇ホラーのカルトさ、それは南米らしいサイケな狂気に満ちていることでしょう。トリッピーなんです、なんか。躁鬱なストーリーの起伏や派手な色彩感覚(映像は白黒なんですが)がヘンなんですよ。
 あとはやはりチープな映像のショボさと、意味の無い無駄に長い前置きに「カルト」な臭いを感じますね。エド・ウッドとかと同じ臭いです。
 
 1963年に公開された作品なんですが、ショック・シーンと不信心な男の描き方の過激さゆえに、本国ブラジルでは上映禁止になったらしい。今の感覚で観れば全然大したことはないんだけど、割れたガラス瓶で指をぶっちぎったり、指で目をえぐったりとか、映像はショボくても「痛さ」の描き方はなかなかのモノです。
 
 そんな超カルト作といわれる本作ですが、実はストーリー展開そのものはいたって普通です。
 自分の欲望を果たすためには殺人をも厭わない男が最後に亡霊たちに復讐される。基本的には、最後には悪が滅びますよ、てお話。
 妻を殺して別の女を求めたのも、子孫を残すことが生きる目的と考えているジョーが、子供を産めない妻に嫌気がさしたから、て理屈まで付けられています。
 ここ最近レビューしてたルイスの「狂気」とは大きく異なり、コフィン・ジョーの「狂気」はあくまでも表現のヘンテコさにあるんですね。