第15回セレクト合戦 勝手にレビュー SHINODAさん編
参加していないセレクト合戦ですが、今日はSHINODAさんの感想です。
ジャケに「JAZZ STANDARD」と書かれているため、ジャズ知識のない僕は、てっきりジャズ歌手の曲を集めたセレクトだと思い込んで聴いておりました。
実はロック系のアーティストによるジャズ曲が集められていて、言われてみればなるほど歌い方にクセのようなものがあります。ジャズの外部から見たジャズのような曖昧な雰囲気があって、ジャズ・ファンでない僕のような者にとっても、すんなりと聴ける曲ばかりでした。
しっとりと優雅な雰囲気で、確かに真夜中に聴きたい音楽ですね。お酒でも飲みながら。
収録されている曲目は、
01. What's New? / Boz Scaggs
02. I've Got You Under My Skin / Carly Simon
03. Round Midnight / Kenny Rankin
04. My Foolish Heart / Ponta Box meet Yoshida Minako
05. Come Rain Or Come Shine / Bobby Coldwell
06. I've Got A Crush On You / Linda Ronstadt
07. I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter / Ronne Lane's Slim Chance
08. Squeeze Me / Maria Muldaur
09. Mack The Knife / The Brian Setzer Orchestra
10. On The Street Where You Live / Rickie Lee Jones
11. Moongrow / Rod Stewart
12. What A Wonderful World / Ann Sally
(01) は、完モロなジャズ・アレンジですが、ポップ・フィールドな歌声が穏やかに響きます。ワーキング・ウィークとか、80年代後半の英国ポップ界のジャズ・ムーヴメントを想起しました。
(02) は、『うつろな愛』収録のアルバムしか知らないので、ハスキーだけどソフトな歌声というイメージを持ってました。しっとりと熟れた歌声にドキリ。
(03) は、ゴージャズで優雅な演奏に甘い歌声が素敵な、メロウメロウなAOR。このアルバム、他のカヴァー曲も聴いてみたいです。
(04) は、本格的にジャズ・ヴォーカルしながらも、やはり吉田美奈子らしさも強く感じられます。演奏も歌も素晴らしいですねー。
(05) は、フランク・シナトラの十八番ですが、ゴージャズなジャズ・バンド・サウンドも、そしてボビーの歌声もシナトラぽく聴こえます。
(06) は、これまた静かながらゴージャズな演奏が素晴らしい、美しいバラード。
(07) は、スモール・フェイセスの人という知識しかありませんでしたが、こんな米国ノスタルジックな音楽を演っているんですね。
(08) は、ゆったりとスウィングしてる空気がいいですね。実は最近になってようやくこのアルバムを購入したところなんです。
(09) は、このグルーヴ感はロカビリー魂の賜物なのでしょうか。前半ののんびり感がグルーヴィに加速していく流れがいいですねー。
(10) は、溌剌と若々しく(?)歌ってますが、最近のアルバムのようです。ウキウキと弾む演奏と歌声がいい感じです。
(11) は、大容量な連作カヴァー集から。余裕の感じられる歌声です。
(12) は、ニュー・オーリンズの空気と彼女の歌声に秘められるクールさから、ゆったり感と緊張感が同居してるような深い味わいを噛み締めて聴いております。