本日の1枚
O.S.T. / Vila Sesamo (CD)
ブラジルの名門レーベル、Som Livre の貴重音源CD化シリーズからの1枚。
ブラジル版の「セサミ・ストリート」(「ヴィラ・セサモ」)のサントラ盤です。
'74年にリリースされたアルバムで、全楽曲をマルコス・ヴァーリ&パウロ・セルジオ・ヴァーリの兄弟が手掛けています。
男女のヴォーカルがユニゾンで歌う曲ばかりなんですが、とにかくどの曲もソフト・ロッキンなアレンジでなんとも可愛らしい。歌声もとてもジェントルで、暖かな音とともにソフト・ロックとして極めて高得点。
子供向けということで、基本的にファニーで楽しい空気感がいっぱい。同年のマルコスといえば美しくもメローなアルバム『Marcos Valle(1974)』(目に鍵盤の道が続くヘンテコなジャケのやつ)を発表していますが、同時期にこんなユーモラスな作品も制作していたのですね。
柔らかなエレピやホーンの音色もファニーに鳴り響き、ちょっぴり捻くれたリズムとメロディもチルドレンものとしてピッタリはまっています。
01. 『Alegria Da Vida』は、ベルの音やフルートがキュートなリズムを刻む、箱庭的愛らしさに溢れた逸品。口笛の間奏も素敵です。
02. 『Abecedario』は、ボワーンと重い音がボンボンと低く弾むなか、軽やかなエレピが跳ね回るウキウキ感が素敵です。
03. 『Querer E Poder』は、ボサなリズムにミニマルなエレピのフレーズ(ラテン調)がとても心地良い。
04. 『Gugu』は、ンチャンチャしたリズムに咳払いの声など、ほんのり実験的な要素が見え隠れします。
05. 『Os Bichos』は、メランコリックなエレピの音色におセンチな歌声が、子供向きとは思えませんが名曲ではあります。
06. 『Diferenca』は、クールなジャズ・ボサからストリングスを使った豪華な曲調に変化するアレンジが面白い。
07. 『Classificacao』は、コロコロとスピーディに転がるリズムがキュートです。
08. 『Funga Funga』は、タイトルどおりフガフガしたユーモラスな歌声とボヨンボヨンしたリズムが子供番組らしいかな。
14. 『Vila Sesamo』は、ラストに相応しく美しいメロディが印象的なボサ曲。リズムの緩急など、一筋縄ではいかないアレンジの妙が光ります。