本日の1枚

 やっと聴きましたよ。
 
 V.A. / Easy Living vol.1 (CD)

philia records compilation album「Easy Living Vol.1」

philia records compilation album「Easy Living Vol.1」

 
 the Sweet Onions(すいません、知りません)が主催するレーベル「philia records」からリリースされたコンピ。
 ショック太郎さんのユニット、blue marbleの曲が収録されています。(id:bluemarble:20060627)
 「衣・食・住・音」をテーマにしているそうで、日常に溶け込むような耳に穏やかな楽曲が集められています。
 そのテーマから言えば当然かもしれませんが、ギター・ポップ、シティ・ポップソフト・ロックボサ・ノヴァAORといった音楽を軸にしています。
 耳に穏やかな、と書けばBGM用のリラクシンな音を想像されそうですが、それだけではなく、気分のいいときにはウキウキと心踊る、落ち込んでるときには切なく響くような、いつ耳にしても違和感のない楽曲たちなんです。
 
 01. 『ボーイ ミーツ ガール』(HAYDON)は、キラキラしたギタポ系シティ・ポップ。肩の張らない爽やかさなポップさがとても素敵です。
 02. 『光』(Trans alphabet)は、これまたキラキラと眩いギター・ポップ。1つ1つの音色がどこかで聴いたような懐かしい感触。
 03. 『あなたのいない世界』(ゲイリー芦屋)は、「ヒゲの未亡人」の人ですね。ウィスパー・ヴォイスものフレンチ・ポップ。ロリ声を聴かせているのはインスタントシトロン片岡知子です。ストリングスの入り方とかのアレンジがツボ。
 04. 『コンチェルト』(クノシンジ)は、ゲントウキのツアー・メンバーとのこと。歌い方もアレンジも90年代初期のギタポしてます。
 05. 『アンサーソング』(Harum)は、70's フォーク・ロック系の音で奏でるポップ・ソング。ちょっと前につんのめるような女性ヴォーカルが愛らしい。
 06. 『ゆるやかな午後』(joy)は、薄い空気感のアコースティック・ポップ。初期EBTGとかをまろやかにしたような音。儚げでどこか力強い歌声がとても素敵で、歌声だけなら一番のお気に入りです。
 07. 『夕暮れ通り』(margarets hope)は、モロにシティ・ポップしてますね。アコギの爽やかさと曲全体を包むふんわりしたメロウさは、まさにタイトルどおりの音。穏やかなヴォーカルもチャーミングで、(blue marbleを除けば)このコンピで一番のお気に入りです。
 08. 『My heart is like a Marshmallow』(Like This Parade)は、「横浜のルイ・フィリップ」と紹介されてました。宅録職人ぽい細やかな密度の濃いアレンジで、ソフロ系サウンドで作り上げています。
 09. 『we can fly』(roly poly rag bear)は、これもソフロ系ポップ・サウンド。鼻にかかった女性ヴォーカルは曲調に合ってないようで合ってます。
 10. 『雪虫』(小林しの)は、なんとなく 80's アイドル・ポップしてます。夢見る乙女なポップさで。
 11. 『The francies of a poet』(the Sweet Onions)は、メロウなAOR系ギタポ・サウンド。これはアレンジが素晴らしいです。特にサビ部分、ベースの静かなうねりとか、小さなタメとか、光が煌くような音の紡ぎ方が絶妙。
 12. 『nero』(frenesi)は、エレピの音色も軽やかなボサ・ポップ。箱庭的な可愛らしい音の世界観が好みです。歌声もキュート。このユニット、昔大好きだったんです。
 13. 『リタ』(ヒガシノリュウイチロウ)は、本格的にブラジリアンなポップさ。単純なようで、計算し尽くされてる印象。ボサなリズムによく合うリラクシンな歌声もその1つ。スペイシーな音使いはアジムスみたい。
 14. 『たとえば』(mana mana)は、陽だまりのフォーキー・ポップ。アコギを中心にした演奏は、シンプルなのに音の層が厚く聴こえます。
 15. 『ナポレオンフィッシュがわらうとき』(アモールファティ)は、trippyさん(id:spiritjack:20060720)も書かれてますが、歌声がモロに田島貴男ですね。
 16. 『懐かしのバイアーナ』(blue marble)は、以前デモ音源をいただいた曲ですが、ビリンバウなどをフィーチャーして新たに録音したものだとか。控えめにサンバなリズムに軽やかなギターやエレピの音色がとっても心地良い。穏やかな郷愁と穏やかな多幸感がじんわりと広がっていきます。
 それにしてもこの曲、アルバムの中でちょっと浮いているような印象を受けますね。冒頭に「日常に溶け込むよう」なコンピだと書きましたが、この曲の無国籍感はやはり非日常的ですよ。また、他曲の多くはBGMとしても聞き流せる「軽さ」を備えてると思うんですが、この曲は大野さんの個性的な歌声のせいか、聞き流すことができないんですよ。浮遊感という意味では「軽さ」を持ってるんですが、ふわふわしてツカミどころがないのも聞き流せない要因でしょう。