本日の1枚

kobbanova2006-08-16

 Cynara E Cybele / Cynara E Cybele (CD)

Cynara E Cybele

Cynara E Cybele

 
 ボサ・ノヴァ界にて最高に美しいハーモニーを誇る4姉妹のコーラス・グループ、クアルテート・エン・シー。
 そのうち米国進出に乗り気でなかった次女シベーリ、三女シナーラの2人が結成したデュオ。これが唯一のアルバムです。
 
 プロデュースはエルシオミリート、アレンジはルイス・エサと、ほぼタンバ・トリオなバックアップ。
 アレンジはドリ・カイミで、地味めながらも非常にクオリティの高い曲が続きます。
 いわゆるカフェ系に分類されそうですが、ノスタルジックさとグルーヴィさを備えています。
 
 4人のクアルテート・エン・シーに比べると、当然ながらコーラスのゴージャスさは薄まってしまいますが、その代わり、ハーモニーの美しさにはある種の神聖な清らかさを感じます。
 ストイックな感じじゃなくて、暖かで幻想的な雰囲気で。
 
 僕が持ってるのはブリザ・ブラジレイラの再発シリーズからのCDなんですが、ジャケがあんまりにも味気ないですね。オリジナル盤では清楚な衣装に身を包んだ2人が写っています。
 
 シコ・ブアルキの作品を4曲も取り上げていて、それらがまたノスタルジックさに溢れていて素敵なんですが、このアルバムから1曲選ぶとすると、僕なら冒頭の『Pelas Ruas Do Recife(レシーフェの路上にて)』ですね。
 マルコス・ヴァーリの曲なんですが、シンプルな演奏で控えめな音にも関わらず全体的な疾走感が素晴らしく、2人のコーラスと交わると柔らかなグルーヴィさに包まれます。特にラストのハーモニーが秀逸。2分足らずで終わってしまうのがなんとも勿体ないです。