本日の1枚
Sergio Mendes / Favorite Things (CD)
ブラジル'66での成功後にリリースした、ソロでのインスト・ラテン・ジャズ・アルバム。
セルメンの活動からして、ジャズ・ピアニストとしてのアルバムという意味では、最後の作品と言ってよいでしょう。
コルトレーンやハービー・マンなどのヒット曲を、ボサ・ジャズ〜ラテン・ジャズ調にカヴァーしています。
音はいかにも60年代風のゴージャスな大編成サウンドで、そのオーケストラを率いているのはデイヴ・グルーシン。
その他、パーカッションにジョアン・ドナート、ドラムにドン・ウン・ロマンなどが参加しています。
大編成サウンドとはいえドーンと畳み掛けるタイプではなくて、あくまでもクールな印象を受けます。
そしてちょっと洒落たポップさからは、やはりセルメンらしい魅力を感じます。
01. 『Favorite Things』は、もちろんアノ名曲のカヴァー。軽やかなラテン調のピアノ・ジャズ作品に。音の厚みが増すとともに盛り上がりが増していくアレンジが絶妙です。
02. 『Tempo Feliz』は、バーデン・パウエルの曲。暖かなオルガンに「ラララ」コーラスが穏やかに響きます。
03. 『Ponteio』は、エドゥ・ロボの曲。クールなボサ・ジャズに。
05. 『A Banda』は、シコ・ブアルキの曲。おもちゃ箱的なキュートなマーチ調のアレンジがファニーで素敵。
06. 『I Say A Little Prayer』は、もちろんバカラックの曲。こちらはバカラックらしさを残したゴージャスでイージーな仕上がりに。
07. 『Comin' Home Baby』は、ハービー・マンの有名曲。スパイ映画系のクールなラテン・ジャズに。ベースが刻むファンキーなリズムがカッコ良い。
08. 『Boa Palavra』は、カエターノの曲。セルメンは米国でポップ・ミュージックを演奏しつつも、ブラジルでのトロピカリズモにも目を向けていたんですね。