本日の1枚

 Ruthann Friedman / Constant Companion (CD)
 
 
 ソフト・ロック名曲、アソシエイションの『ウインディ』の作者として知られる、米国の女性SSWが残した唯一のアルバム。
 ジュディ・シルのアルバムをCD化した、Water Label からCD化されました。
 
 アコースティック・ギター1本で弾き語る、瑞々しくメランコリックなフォーキーな楽曲で、雰囲気はジュディ・シルに近いものがあります。
 
 レコ屋の評ではヴァシュティ・バニヤンを例えにした記述を見ますが、飾り気のない静謐なアコギの紡ぎや清々しく儚げな歌声からは、確かに英国っぽい佇まいも感じます。
 ただ、ほのかな暖かみに溢れた穏やかなメランコリックさには、英国フォークの深い森の空気感はなく、北米大陸でのやや肌寒い日の陽だまりが相応しいように思えます。
 
 お気に入りは3曲目の『Fairy Prince Rainbow Man』。細く儚げな歌声と、アコギの音数の少なさ、無音からはなぜか暖かみがじわじわとにじみ出てきます。まさに、深まってゆく秋のなごみに相応しい音楽です。
 
 ボーナス・トラックとして収録されている『Carry On』は、ヴァン・ダイク・パークスが手掛けた曲で、他曲と比べると凝ったアレンジでちょっと浮いちゃってますね。うっすらとグネグネしたサイケデリック感が素敵なポップ・ソング。