本日の1枚

 Guther / Sundet (CD)

Sundet (Dig)

Sundet (Dig)

 
 男女2人組の生音エレクトロニカ・ポップなユニット。3年振りのセカンド・アルバムです。
 エレクトロニカを消化したギター・ポップ、ステレオラブとかを経過したフォークトロニカ、て感じだった前作の雰囲気に加え、80's ニュー・ウェーヴ的な、またシューゲイザーぽい音使いが違和感なく馴染んでいます。
 この辺の音楽にありがちな音で目新しさは全く無いんですが、この辺の音楽ファンのツボを上手く突いた楽曲にニンマリです。
 
 タイトにビートを打ち鳴らすドラムに、重々しく繰り返されるベース、メランコリックに響くギター・アルペジオ、時おり挿入されるフィードバック・ノイズ、柔らかなフルートの音色、そしてジュリアの儚げなウィスパー・ヴォイス。
 特にドラムやベースなど、個々の楽器の音色は意外に攻撃的なんですが、メロディの美しさやアレンジの妙に依るものなのか、曲としてはとてもスウィートでハート・ウォーミングに聴こえます。
 
 エレクトロニカな要素やマイブラな感性などを、さりげなくにじみ出しているポップ・センスがとても素敵です。
 
 ほんのりとしたメロウさ、温さは、これまた秋のなごみに相応しい音楽のように思えます。
 
 01. 『Still In This Town』は、ギターのメロウさが心地良いポスト・ロック的な音。
 02. 『Statements』は、ミニマルなベースが80's ニュー・ウェーヴっぽい。マイブラ・フォロワーたちがこんな曲を量産してたなぁ、悪い意味じゃなくて。
 03. 『Many Frames Per Movement』は、これまたドラムやベースが80's。フィードバック・ギターの波にそっと折り重ねられるフルートの音色が素敵です。
 07. 『Afraid』は、透明感のある歌声がやや重ための音を切り開く感じが好い。
 09. 『A Brief Encounter』は、ぼんやりしたキラキラ感が、往年の耽美路線な4ADレーベルを思わせます。