本日の1枚

 Celia Reis / O Samba E... (CD)
 

 
 ブラジルの女性シンガー。レア盤の再発です。
 主としてナイトクラブで歌っていた彼女が、なぜかバーデン・パウエルやMPB 4のサポートを得て録音した盤だとか。
 参加メンバーでは、セルソ・ムリーロのオルガンが好いです。ワルター・ワンダレイからグルーヴィさを抜いてラウンジ感を増したような音で、ピヨピヨした軽やかさが面白くて心地良い。
 
 スタンダード曲を中心としたボサ・ノヴァなアルバムなんですが、スウィンギンな躍動感に満ちた楽曲が続きます。 
 その魅力は彼女の歌声にあります。
 芯の通った力強さに、艶やかさが素敵な歌声で、あくまでも深夜が似合う声ですね。
 歌い方はとてもスウィンギンで、ジャズなグルーヴィさを湛えています。ジャズ・ボサ期のエリス・レジーナのような雰囲気で、とてもカッコ良いんですよ。
 
 ジャズ・ボサのスタンダード、『So Danco Samba』や『Influencia Do Jazz』での、ジャズ歌手らしい大人の高揚感でその魅力を確認できます。派手な演奏ではないんですが、声の「張り」がスウィングしています。
 お気に入りは『O Amor Que Acabou』。オルガンの音色が醸し出すラウンジ感と、洒落た演奏からにじみ出る土着的グルーヴィさ、熟女な魅力に溢れる艶やかな歌声が好いのです。