本日の1枚

 Julius Wechter And The Baja Marimba Band / Fresh Air (CD)

フレッシュ・エアー

フレッシュ・エアー

 
 フィンガー・スナッピン・シリーズのボサ・ノヴァ編から再発。
 ティファナ・ブラスとともに、A&Mの2本柱な存在だったバハ・マリンバ
 そのリーダーであり、ティファナ・ブラスを影から支えていた存在でもあるジュリアス・ウェクターは、マーティン・デニー楽団でヴィブラフォンマリンバを担当していた人らしい。
 
 これは、1969年にリリースされた9枚目のアルバム。
 当時、バハ・マリンバが出演しているエド・サリバン・ショウの映像を GyaO で見ることができますが、そこではコミカルな小芝居を交えながらメキシカンな演奏をしています。
 http://www.gyao.jp/sityou/catedetail/contents_id/cnt0010638/
 もともとコミカルさも売りのひとつだったようですが、このアルバムではジャケ以外はコミカルな要素は薄く、洗練された洒落た音を奏でています。
 
 ラテン・ラウンジ・サウンドを基調としながらも、60年代A&Mらしい柔らかで洒落たソフトさが配されており、じっくり聴いてみて、今まで持っていた単なるイージー・リスニングなイメージが誤りであることに気付かされました。
 
 ジョビン『Wave』の激ソフトなカヴァーやビートルズ『Eleanor Rigby』のクールなボサ・ジャズ・カヴァーもいいですが、ウェクターの手によるオリジナルが素晴らしい。
 音がコロコロと転がり続けるインスト・サンバ『I'll Maribma You』の軽やかな疾走感も素敵だし、ラララ・コーラスに加えあちこちから掛け声があがるダンサブルなラウンジ・ポップ『Fresh Air』のハッピーなポップさもとても素敵です。
 
 それにしても、「フレッシュ・エアー」てタイトルのアルバムなのに、豚小屋で葉巻吸ってるジャケなんて・・・。