本日の1枚
Corduroy / Something In My Eye (CDS)
80年代終盤に起こったアシッド・ジャズ・ムーヴメント。
もともとは踊れるジャズやジャズ・ファンク、70'sソウル、グルーヴィ・ロックなどが中心であったのに、気が付けばモッズ系のアーティストでいっぱいになってました。
その代表格として登場したのがこのコーデュロイです。
ブライアン・オーガーなどを意識させるグルーヴィなモッド・ジャズに、スタイリッシュさを加えた音が魅力的でした。
これは1993年にAcid Jazzレーベルからリリースされたシングル。
それまでの作風とは違い、お洒落さを前面に出しています。
タイトル曲は、ほとんどセルメンの『マシュ・ケ・ナダ』をパクッてます。イントロのリズムから「オー」てコーラスまで、ユーモア・センスにも溢れているので、パクッてるというよりパロディとして捉えるべきでしょうか。
とはいえ、洒落たボサ・サウンドに、グルーヴィなソウルのエッセンスも加わっていて、曲としての完成度も高いのではないかと思います。
その何でもありな感覚は、当時の日本に台頭していた「渋谷系」とクロスするものがあり、事実コーデュロイのアルバムは、日本ではトラットリアからリリースされていました。
いわばアシッド・ジャズと渋谷系の接点の役割を果たした曲だったんじゃないかと思います。