本日の１枚

　Aura Urziceanu / Over The Rainbow (CD)

オーヴァー・ザ・レインボー

　
　ルーマニアの女性ジャズ・シンガー、アウラ・ウルジチェアヌが、1977年にカナダで録音した盤。もともと２枚組みで19曲入りというボリューム。
　スタンダードなジャズ・ナンバーを中心に、伸びやかでコケティッシュな歌声を聴かせます。
　
　作曲陣として、マリオ・カストロ・ネヴェスやインナー・ダイアログの人が参加しています。
　マリオが提供したのは２曲だけなんですが、なんとなく全体的にマリオっぽいソフトなスイートさが漂っています。
　ブラジリアン〜ソフト・ロックなアレンジが、彼女の歌声にピッタリ。
　
　オープニング曲でいきなり披露する超絶スキャットに現れるように、彼女はものすごいテクニックの持ち主。
　けれども、声質がコケティッシュなので、柔らかでキュートな印象を受けます。とても聴き心地が良い。
　
　前述の１曲目『A Time For Love』では、スピード感あふれるボサ・ジャズな演奏の中、小鳥のさえずりのような天空を駆け回るスキャットの妙技を堪能できます。
　この盤のベストはマリオ作曲の『Lonely Pie』でしょう。洗練されたクールなアレンジと、爽やかに軽やかに跳ねる彼女の歌声との相性が抜群です。