本日の1枚

 Ithaca / A Game For All Who Know (CD)
 
 
 英国マイナー系フォークのレア盤発掘ブームの火付け役となった1枚。
 1972年にリリースされたアルバムですが、このグループは、Alice Through The Looking Glass、Tomorrow Come Someday、Agincourt、Ithaca、Friends と、作品毎にバンド名を変えていたので、実質的には4枚目のアルバムといえるでしょう。
 
 消え入りそうなドリーミーさが素敵なまどろみ系のアシッド・フォークで、特に女性ヴォーカルの Lee Menelaus の歌声の儚げな感触が素晴らしい。線の細い美しさ、キュートさに胸キュンです。
 シンプルなアコギの演奏に突然ぐにゃっとエフェクトがかかったり、素朴なようでコロコロと姿を変えていくアレンジも面白いところ。
 
 その捻くれたポップ感や儚げなヴォーカルと演奏などから、アシッド・フォークというよりもネオアコな印象を強く受ける曲もあり、ギタポ・ファンにはぜひ聴いてもらいたいアルバムだと思います。
 
 雷鳴のSEから幻想的に展開していく『Journey』で幕を開け、淡いフルートの音色が印象的な『Questions』は、ぼんやりとしたサイケ感が醸し出す淡いトリッピーさが心地良い。
 ドリーミーなフォーキー・ポップから突然軽やかなアコースティック・ポップへと変化する『Times』は、このアルバム一番のお気に入りです。キュートな女性ヴォーカルも含め、ギター・ポップ・ファンは必聴ですよ。
 Lee の歌声が際立つ『Dreams』も、リズムの取り方などがギタポ的で好いのです。
 
 ちなみにこの再発CD、オリジナル盤の6曲にボーナス・トラックが3曲収録されていると裏ジャケに書かれているのですが、なぜかトータル8曲しか収録されていません。