本日の1枚

 Jaki Whitren / Raw But Tender (CD)

Raw But Tender

Raw But Tender

 
 英国の女性SSW。
 レコ屋では「幻のフィメール・フォーク」的な紹介をされていましたが、実は、80年代に『リズムのト・キ・メ・キ』をヒットさせたホイットレン&カートライトの人と同人物のようです。
 その『リズム・・・』はポップなAOR盤でしたが、73年にリリースされていたこのデビュー・アルバムには、フォーク・ブルースを中心とした楽曲を収録されています。
 
 演奏にはアルバート・リー、リンゼイ・クーパー、フォザリンゲイのジェリー・コンウェイらが参加、ハープシコードやフルートの音色で彩られるいかにも英国フォークらしい楽曲に混じり、スワンプ調の曲が配されているのが面白いところです。
 
 彼女が響かせる歌声はとてもソウルフル。渋みがかっている声をトローンと振るわせる唱法は、とても19歳の女の子が歌っているとは思えない貫禄があります。
 
 すっごくブルージーな『New Horizon』で幕を開け、アレレ、ずっとこの調子なのかと思いきや、2曲目の『Oh Little Boy』ではモロに英国フォークします。歌声もソウルフルにシャウトしたり、サンディ・デニー風に歌ったりと、その変わり身が楽しいですね。
 お気に入りは『To A Friend, Through A Friend』。アーシーな美しいアコギの紡ぎと、けだるくも気品の漂う歌声との相性が素敵です。