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 Gutevolk / グーテフォルクと流星群 (CD)

グーテフォルクと流星群-tiny people singing over the rainbow-

グーテフォルクと流星群-tiny people singing over the rainbow-

 
 西山豊乃のソロ・プロジェクト竹村延和『ソングブック』にヴォーカリストとして参加していた人で、Childisc や daisyworld で作品を発表しています。
 kazumasa hashimoto をプロデューサーに迎えたこのアルバムは、アコギやトイ・ピアノなどの生楽器を中心に電子音などを散りばめた、生音エレクトロニカな音楽です。
 全体を覆うソフト・ロックな柔らかテイスト、ふわふわした電子音、子供っぽいエクスペリメンタルさなどからは、嶺川貴子などと同質のセンスを感じましたが、やはり特徴的なのはこの人の歌声でしょう。
 『ソングブック』での童謡的な歌がピッタリとはまっていたように、ノスタルジックな雰囲気がにじみ出ています。格別に上手いわけでも可愛らしいわけでもないですが、耳にすっと馴染んでいく独特な甘美さを持っていて、「うたごころ」を感じる歌声です。
 
 オープニング『Portable Rain』は、電子音が煌めくフンワリとしたトラックに、これまたフンワリとした歌声が響く浮遊感が夢見心地な気分。
 『Dream Walker』は、痛々しいヴォイス・サンプリングなどは置いといて、切なくノスタルジックな歌声の儚さがとても素敵です。歌声だけならこの曲が一番好き。
 ポップなキュートさが素敵な『This Moon Following Me』や『Ao To Kuro』、おもちゃ箱的な『Seed Of Sky』なども好いですが、一番のお気に入りは普通にエレクトロ・ポップな『The Door To Everywhere』だったりします。