本日の1枚

 The Unspoken Word / Tuesday, April 19th. (CD)

Tuesday, April

Tuesday, April

 東海岸のフォーク・ロックなグループ。1968年にリリースしたファースト・アルバムです。
 基本的にはサイケ・テイストのフォーキー・ポップなんですが、シタールが鳴り響く曲があったり、普通にソフト・ロックしてる曲もあったり、ワクワクと楽しめる盤です。
 何よりも複雑ヘンテコに目まぐるしく転調していくアレンジが実に素晴らしい。
 ぼんやり調の曲でも、リズムがしっかりしてる点も好みなところです。
 
 また、男女ヴォーカルのハーモニーもとても素敵。
 どんよりと重ねられる美しいコーラス・ワークの中に、凛とした雰囲気の可憐な女性ヴォーカルが輝きます。
 
 オープニング『Anniversary Of My Mind』でもう参りました。ダウナーなベースの繰り返しにシタールの音色が絡むイントロ、投げやりだが美しいコーラスに優雅なストリングスのアレンジがお気に入り。
 続く『For The World』は、細かく転調していくアレンジで一気に終わってしまう、カラフルな疾走感が素敵。わずか2分足らずの曲なんですが、これはもっと続けて聴きたいなぁ。
 『Waking Up』は、シンプルなアコギの音色に可憐な女性ヴォーカルで英国フォーク調、と思ったらドコドコとドラムとベースが響いてサイケ・ポップに変化。男性コーラスも素晴らしく、これまたカッコ良い曲。
 ビートルズ風の『Moving Day』、華麗にメランコリックなハーモニー・ポップ『After The Before』、ファンキー・ロックな『Rossby』、なんとなくNDW(ジャーマン・ニュー・ウェーヴ)的な『We're Growing』などなど、何をしたいのか分からない多彩さもまた大きな魅力です。
 ボーナス・トラックの『On A Beautiful Day』は、爽やかなコーラスが普通に素敵なソフト・ロック。ますます何をしたいのか分からない。