本日の1枚

 Claudine Longet / Let's Spend The Night Together (CD)

夜をぶっとばせ(限定紙ジャケット)

夜をぶっとばせ(限定紙ジャケット)

 ウィスパー・ヴォイスで激甘なソフト・ロック作品をA&Mから発表していたクロディーヌ・ロンジェ。これは、バーナビーに移籍後、1972年にリリースした彼女のラスト・アルバムです。
 大半がカヴァー曲で構成されたこのアルバム、かなり異色な耳触りが印象的です。
 ロック調の曲をソフト&フォーキーにカヴァーしていることもさることながら、アシッド・フォークな曲調に彼女のウィスパー・ヴォイスがたゆたう様子がなんともストレンジな印象を受けます。
 ドリーミーで儚げながらも、微妙にエクスペリメンタルなアレンジが素晴らしく、A&Mソフト・ロック作品とは似て非なる魅力に溢れています。
 
 オープニングの『Prologue / While You're Sleeping』で夢心地に幕開け。柔らかなスキャットもドリーミー。
 続く、ビーチ・ボーイズ『God Only Knows』での穏やかフォーキーなアレンジでもう心を掴まれました。
 ポール・マッカートニー『Every Night』などのソフト・ロッキンなモノも好いのですが、キラキラ感の素敵な牧歌的なアシッド・フォーク『Wake Up To Me Gentle』がこのアルバム一番のお気に入りです。
 ニール・ヤングの『Birds』とか、渋い選曲センスもまたいいですね。
 アルバム・タイトルにもなったストーンズ『夜をぶっとばせ』のカヴァーがやはり目玉でしょうか。軽いラテン調の演奏にウィスパー・ヴォイス。エキゾティックなムードから発せられるストレンジさは、数多いこの曲のカヴァーの中でも秀逸でしょう。