本日の1枚

 土岐麻子 / Takin' (CD)

TALKIN'

TALKIN'

 ちょっと前まで、なんだか最近はワクワクするような新譜が無いなぁとか思ってたんですけど、いつの間にか気がつけば、また新譜にワクワクしている日々が訪れております。Perfumeとかね。
 シンバルズ時代も含めて土岐麻子さんの盤はどれも好きなんですけど、この新作もとても素敵で、ワクワクしながら聴いております。そしてまた、このワクワク感がこのアルバムの一番の魅力であるように思えます。
 
 で、このアルバム、AVEXからのメジャー・デビュー盤なんですね。だから何か変わったという印象はないんですが、これまでのジャズ〜シティ・ポップな路線を継承しつつ、より分かりやすいポップさを湛えています。もちろん良い意味で。
 
 メロウな楽曲も好いのですが、やはり彼女のキュートな歌声が素敵。穏やかでスウィートで優しげで、でもちょっと意地悪な感じもする歌声がとても好いのです。また、ちょいとひねくれた歌詞もとっても素敵です。
 
 とりあえず、1曲目の『モンスターを飼い馴らせ』ですっかり虜にされました。適度なキラキラ感とメロウな感触が完璧なシティ・ポップ。穏やかな疾走感はEPO的でもあり、ユーミン的でもあり。なんというか、週末の夜に何かが始まるようなワクワク感を覚えるようなグルーヴィさが素敵です。
 小気味良いリズムにまたウキウキする『HOO-OON』を挟み、適度なスウィートさが絶妙の『ファンタジア』。洒落すぎないアーバンなメロウさが素晴らしい楽曲です。
 ゴージャズにスウィンギンな『MY SUNNY RAINY』、斉藤由貴のカヴァー『青空のかけら』は転がるパーカッションとハンドクラップが小気味良く響きます。
 甘くキャッチーなメロディに絶望的な歌詞の『眠れる森のただの女』、アコギの刻みが心地良いフリー・ソウル風の『サーファー・ガール』、シンプルなようで複雑に絡み合うリズム・アレンジが素晴らしい『WALK ON』とか、もうどれも何度も繰り返して聴きたくなる曲ばかりです。
 
 アマゾンのインタビュー・コーナーにて、セルフ・ライナーノーツが掲載されています。
 http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html?ie=UTF8&docId=1000119196