本日の1冊

 諸事情により、職場でアルバイトを急募する。仕事は電話での問い合わせ対応やパソコン入力といった類のもので、時給もあんまり高くない。
 可愛い女の子でも来てくれたらいいなぁなどと思っていたら、実際にハローワークを通じて応募してきた人たちは、結構な年齢の男性ばかり。
 しかも、履歴書を見ると目を疑うような高学歴が並んでいます。
 なんでこんなバイトに、て質問をすると、「仕事が無い」てことなんですね。
 
 うーむ、て思ってたら、ちょうど本屋でコレを見かけて買ってしまいました。
 高学歴ワーキングプア / 水月昭道光文社新書

高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

 
 大学院博士課程修了者のうち「死亡・不詳の者」の割合は11.45%、という衝撃的な数値で始まる本書、大学院卒者の多くがフリーターを彷徨う現状とその原因を告発しようというもの。
 文科省の大学院重点化施策によって大学院卒者が増大されたことなどを取り上げ、要するにこの現状は国策によって産み出されたものだと糾弾しています。
 
 それはもう単なる「恨み節」。
 
 博士課程修了者の厳しい現状は把握できましたが、少なくとも内容に共感することもありませんでした。
 就職先が無いと嘆きながらも、企業で働くことを小馬鹿にしており、結局は大学教員になれないことを愚痴ってるだけ。
 博士号まで持ってるのに普通に就職するのはイヤだし、このまま社会に距離を置いた高等遊民であり続けられる仕事でメシを食いたい、それができないのは社会が悪い、て言ってるようなもんじゃない。
 この本、まあまあ売れてるみたいだけど、著者の被害者意識+選民意識に共鳴できる人はどれだけいるのかなぁ。もちろん、大学院卒者・院生を除いて。
 
 ちなみに、面接に来た高学歴な人たち、話していても全く使えそうになかったので全員落としました。