本日の1枚

 Picadilly Line / The Huge World Of Emily Small (CD)

Huge World of Emily Small

Huge World of Emily Small

 英国のサイケ・ポップ・グループ、唯一のアルバム。1967年、CBSからのリリース。
 この再発CDには、シングルやデモなど10曲のボーナス・トラックが収録されています。
 
 とりあえず、ジャケが素敵ですね。
 中身のほうはそんなにサイケ・テイストに溢れているわけではなくて、むしろ地味なフォーキー・ポップ。全体的に覆うソフト・ロッキンな柔らかテイストがとても心地良い。
 特筆すべきはメロディの良さで、ジェントルな歌声とほのかに暖かげなアレンジと相俟って、うっとりと聴き入ってしまうドリーミーなポップ加減が素敵なんです。
 
 オープニング『Emily Small』は、とってもキュートなソフト・ロック。ふんわり弾むリズムと柔らかなハーモニー、メロディもスウィートで、このアルバムの素晴らしさを予兆させる逸品。
 清楚な女性コーラスが美しく絡んでくる『Can You See Me?』は、ちょいとネオアコ的なポップさ。
 管弦楽器の音色を活かしたソフト・ロッキン・アレンジの『Your Dog Won't Back』、『How Could You Say You're Leaving Me』が続いた後に、いきなりモッズ風味の『Gone, Gone, Gone』が登場するあたりなんかも面白くて好いところ。時代はスウィンギンだったんですね。
 アコギの刻みとフルートの音色が上品に響く『Tumble Down World』などの、地味にフォーキー・ポップな楽曲もまた魅力的です。
 ボーナス・トラックに収録されている楽曲は、ポップ度&フラワー度が増して、サイケ・ポップ色が強まっています。音質が悪いのがちょっと悲しいですが、これまたなかなかの良曲が並んでいます。
 
 ちなみに、このバンドのメンバーたちが、後にエドワーズ・ハンドを結成したそうです。
 もうすぐ紙ジャケで再発されますよ。
EDWARDS HAND(紙ジャケット仕様)

EDWARDS HAND(紙ジャケット仕様)