本日の1枚

 Juliet Lawson / Boo (CD)

ブー(紙ジャケット仕様)

ブー(紙ジャケット仕様)

 
 英国の女性シンガー・ソングライター、1973年リリースのアルバム。
 猿なジャケと「ブー」ってタイトルとかけ離れた、オーソドックスにアコースティック・ポップな楽曲が続きます。
 トゥリーズのデヴィッド・コスタがプロデュース、トニー・コックスがアレンジを手掛けています。ロル・コックスヒルがサックスで参加したり、なかなかに豪華なメンバーが脇を固めています。
 
 しなやかに語りかけるように歌っているかと思えば、いつの間にか力強く激情的になっていたり。その歌声のリズム感はちょっとジョニ・ミッチェル風。
 トニー・コックスのストリングス・アレンジも華麗ながら控え目で、基本的に地味なフォーキー・ポップが並びます。
 歌声も楽曲も普通っぽいんだけど、何かが歪んでいるような、クールだけれど急に爆発しそうな、ヒリヒリとした空気が伝わってくるような印象を受けました。
 聴くほどに味わいが深まるタイプのアルバムですね。
 
 オープニングの『Dear Fool』は、このアルバムの内容を象徴してるような曲。軽快なリズムに英国らしい悲しげな旋律が耳に残ります。クールだけどあまり都会的じゃなくて、すきま風が吹いてくるような感じ。
 お気に入りは木漏れ日フォーキーな『Nothing New』。穏やかな歌声も好いし、静かめに転がるパーカッションもいい味出してます。
 
 ま、でも、このジャケはないだろう、とも思います。