本日の1枚

 Daryl Hall & John Oates / Daryl Hall & John Oates (LP)

サラ・スマイル(紙ジャケット仕様)

サラ・スマイル(紙ジャケット仕様)

 
 RCA移籍後の第1弾、1975年リリースのアルバム。
 '72年のファースト・アルバムからずっとソウルの影響が垣間見られるものの、この盤ではモロにフィリー・ソウルなアレンジの楽曲が目立ちます。
 黒く洗練されたアレンジにより、ギリギリのところで派手洒落すぎなAORにならず、分かりやすく美しいメロディも穏やかに浮かび上がります。
 
 また、オーツがリードを取る曲がいくつかあって、そこではマイルドにソウルフルなオーツの歌声に、ダリル・ホールのファルセットなコーラスが彩りを添えています。
 もちろんダリル・ホールの華麗なファルセットは絶品なんですけど、あえてオーツがメインの曲のほうが好きだったりします。
 
 演奏も歌声も、まさにライト・メロウな心地良さに溢れているので、深夜に繰り返し聴いて魅力を噛みしめたいアルバムですね。
 
 オープニングの『Camellia』から、流麗なストリングのアレンジなどがフィリー風。
 続く『Sara Smile』は大ヒット曲ですが、エレピの音色もたまらないメロウなバラード。特にサビの繰り返しの爽やかなグルーヴィさがカッコ良い。
 3曲目の『Alone Too Long』が、この盤では一番のお気に入り曲。オーツがリードを取ってます。ほのかなラテン・テイストと、シンプルでライト・メロウな演奏、そして脇役として重ねられる美しいファルセットも最高です。
 浮遊感いっぱいのメロウ・フローターな『Nothing At All』、スライド・ギターも心地良い『It Doesn't Matter Anymore』、カリビアンな『Slodering』とか、超名曲はないけど、佳作がいっぱいのアルバムです。
 
 文句をつけるとするなら、このジャケットがねぇ・・・。