本日の1枚

 Parade / Sunshine Girl (CD)

Sunshine Girl: The Complete Recordings

Sunshine Girl: The Complete Recordings

 
 ロジャニコ&スモール・サークル・オブ・フレンズのメンバー、マレイ・マクレオドらが結成したグループ。日本のソフト・ロック・ファンにはお馴染みのグループですが、意外や海外でのCD化はこれが初めてのようです。
 幻のアルバム(日本では再発済み)に、デモ音源などを収録したコンプリート盤で、リリースはチェリーレッド傘下の Now Sounds から。
 
 ソフト・ロック脈で語られがちなこのグループですが、どことなくマージー・ビート風味でもあるし、ヘナヘナしたメランコリックさは80年代の英国ネオアコサウンドを思い起こさせたりもします。
 スモール・サークル・オブ・フレンズのアナザー・サイド、てなレコード屋の謳い文句はちょっと当てはまらない気もしますね。
 
 まずは、未発表に終わった幻のアルバム「The Parade」から全14曲。
 文句なしのサンシャイン・ポップ『Sunshine Girl』で幕を開けます。この曲はシングルでリリースされ、全米29位のヒット曲となりました。ロジャニコ系の柔らかなアレンジとウキウキなリズム、キャッチーなメロディも素敵です。
 ソフト・ロックとしては『Kinda Wasted Without You』が名曲ですね。微細なカラフルさが散りばめられたアレンジと穏やかな歌声がこれまたとても素敵です。
 どことなく『Good Viberation』っぽい『She's Got The Magic』とか、ビーチ・ボーイズビートルズの影響色濃い曲もまぁ面白いところです。
 シンプルな美しさを湛えたフォーキー・ポップ『Lovers』や、軽やかに歌声も弾むファニーな楽曲『Frog Prince』なんかもお気に入りですが、僕としてはモロに80'sネオアコ風味の『This Old Melody』が気になるところです。
 
 日本のソフロ・ファンにとって、今回の再発の目玉はやっぱボーナストラックでしょう。
 まずは、ロジャー・ニコルス・トリオ名義の完全未発表曲『Montage Mirror』。すっごく楽しみに聴いたのですが、まぁ普通にいい感じなくらいの曲でした。
 デモ音源の『How Can I Thank You』は、単調なようで細やかな心配りがいき届いたリズムやメロディがなかなかに素敵でした。
 スモーキー・ロバーズのソロ『Love Is The People's Choice』は、暗い始まりからキラキラしたサンシャイン・ポップへと展開していく『Sunhine Girl』とかと同タイプの曲。控えめなハッピーさも好い感じですね。
 
 ソフロ・ファンであれば、旧の再発盤を持ってても一応買っといたほうが良いでしょう。
 
 
 『Sunshine Girl
 
 
 『Kinda Wasted Without You』