本日の1枚

 Michel Fugain Et Le Big Bazar / Fais Comme L'oiseau (CD)

Lemon of Pink

Lemon of Pink

 
 ドイツのtomlabから、2人組のエレクトロニカなユニット。2003年のリリース。
 生音サンプリングで構成された音楽なんですが、プレフューズ73のヴォーカル・チョップみたいに生演奏のサウンドをわざわざ分解&再構築して、聴いていて何か違和感を覚える音作りに成功しています。
 基本は長閑な曲なのに、すっごく居心地が悪くなるような耳障り。
 ちょっと無理してるんじゃない?という実験性は微妙な気がしないでもないですが、心地良いだけのフォークトロニカから1歩踏み出そうという気合いを感じます。
 でも、楽曲そのものはとってもお洒落さんな雰囲気なんですけどね。
 
 あと、日本語サンプリングをなぜか妙に多用しています。
 どこから録ってきたのか、焼き芋屋の声とか「おかーちゃーん」とか、微妙に間抜けな言葉が・・・。
 これがまた面白いというよりも、どうにも居心地の悪さを感じてしまう原因の1つになってるのかもしれません。
 
 ノスタルジックな心地良さと同時に悪夢のようにじわじわした恐ろしさを覚えるタイトル曲『The Lemon Of Pink』でスタート。
 穏やかに攻撃的なブツ切りフォークトロニカ『Tokyo』は、間の抜けた日本語サンプリングのインチキ臭さもまた素敵です。初期のエイフェックス・ツインなんかを思い起こしました。
 ブツ切りが素敵な曲では『Take Time』のモンド感も好いし、メロディが素敵なうたもの『The Future, Wouldn't That Be Nice?』とかも好いなぁ。
 
 
 『Tokyo』
 
 
 『Take Time』