本日の1枚

 Moonkyte / Count Me Out (CD)

Count Me Out

Count Me Out

 
 英国産のアシッド・フォーク、1971年の作品。
 ジョン・ピールが絶賛していたことで知られているバンドらしい。
 シタールが鳴り響く、どんよりと暗めのサイケデリックさが摩訶不思議な世界観をかもし出しています。
 
 重くリズムを刻むベースの上で鳴り響く、美しくメランコリックなメロディは、なんとなくジョイ・ディヴィジョンを思い浮かべたりもします。
 ヴォーカルの雰囲気は全然違うんですけどね。
 ゆらゆらした音に相応しい、ゆらゆらしたヴォーカルもまた好し。
 
 幻想的なムードで始まるオープニングの『Search』は、ブリブリしたベースが結構ファンキーだったり。
 続く『It's The Same Thing』は、硬質なビートとミニマルに重低音を響かせるベース、やる瀬ない耽美なメロディとか、80'sニュー・ウェーヴ的な印象。
 そしてシタールの音色にもましてオリエンタルな空気感に包まれたユラユラなアシッド・フォーク『Way Out Hermit』。この3曲の流れがとても素敵です。
 一番のお気に入りは、カラフルなポップ・サイケを暗闇に塗り替えたような『Tapestry Girl』。重くビートを刻む単調なベースを下敷きに、せっかくコロコロと転調したり歌声が入れ替わったりしてるのに、どれもどんよりと憂鬱につながっていく様が素敵です。