本日の1枚 Jordi Sabates

 Jordi Sabates / Ocells Del Mes Enlla (LP)

Ocells Del Mes Enlla

Ocells Del Mes Enlla

 
 スペインはカタルーニャ出身のピアニスト、ジョルディ・サバテスが残したアルバム。1975年のリリース。
 これは2003年に再発された盤で、当時レコ屋ではクラブ・ジャズ・クラシック的な扱いで売られてたんですけど、聴いてみてビックリ、すっげえプログレッシヴなジャズ・ロックしてるアルバムでした。
 
 カタルーニャ音楽(どんなのか知りませんが)などを下地にしているという音楽は、スピリチュアルな志向が強く、グルグルしてくるんだけど神秘性にあふれています。
 リズムはしっかりしていて、ブラジリアン・ジャズなグルーヴィさを湛えています。けれどもそこにスペイシーなムーグの音色が響いたり、何か分からない楽器の音色が浮かんでは消えていきます。
 なんとなく、エルメート・パスコアルやアイルト・モレイラな雰囲気を感じました。
 
 エレキ・ギターや女性スキャットも同様にフワフワ響いてるんですけど、どちらも音程がものすごくカン高い。キンキンと耳障りに響くわけではなく、頭の上のほうをクルクルと回転して漂ってるよう。
 気色悪いけど気持ちいい、ある意味ヘンテコな音程感覚が妙に神秘的な雰囲気を醸し出してるのです。