本日の1枚 Bob Patterson

 Bob Patterson / Instrumentalist, Singer, Songwriter (CD)
 
 
 米国のマイナーSSW。なんでもサイケ・バンド「エリザベス」のリーダーだった人だそうで、これは1971年に自主制作でリリースされたファースト・ソロ・アルバム。オリジナルはレア盤ですが、韓国Bella Terraから再発されました。
 セカンド、サード・ソロ・アルバムから1曲ずつボーナス・トラックとして収録されています。
 レコ屋の評には「アシッド・フォークのファンは要チェック」て書いてあったんですけど、そんなにアシッド・フィーリングに包まれてはいませんでした。ただただ上質なSSWを聴いたなぁ、て印象です。
 
 フィラデルフィアのスタジオで友人と2人で録音したらしく、ほとんどの曲が2人のアコギと歌声のみのシンプルな構成でありながら、表現される世界観の豊かさにビックリ。
 まるでアフロ・トライバルな力強さを感じたり、英国フォーク的な陰影の美しさを感じたり。
 飲み会で友人に話しかけてるような、なんとも憎めない歌声も素敵です。
 
 冒頭の『Travelin' Through The Countryside』から、アコギ2本のみで生み出されるサウンドのクオリティの高さに驚かされます。特に中盤の絡まり合う美しい音色は、クラクラくるようなグルーヴィさを湛えています。
 どの曲も地味ながらいい曲ばかりなんですが、僕の好みからすると、爽やかにドロドロした空気感にアシッドなフィーリングがいっぱいの『Darlin' Good Girl』、オールド・タイミーな曲調の中に微妙なサイケ感をのぞかせる『I'm Going Home』、サイケ・テイストなグルーヴ感にあふれた『Bed Of Roses』あたりがお気に入りです。
 歌モノに挟まれるインスト曲もまた絶妙でした。