本日の1本 不良姐御伝/猪の鹿お蝶
不良姐御伝/猪の鹿お蝶
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: DVD
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幼い頃に目の前で父を殺された杏子は、犯人の手掛かりを捜すため、女博徒として博打の世界で生きていた。一方、日本の国家機密を狙う外国人女スパイが日本に潜入し、、、というストーリーです。
「トラック野郎」の鈴木則文が監督、脚本は「エロ将軍と二十一人の愛妾」の掛札昌裕を務め、主演に池玲子、助演にクリスチーナ・リンドバーグが出演した、東映ピンキー・バイオレンスな作品です。公開は1973年。
意味なく出される乳、そして血飛沫が飛び散る暴力シーンが次々と連発され、目を離すことができない傑作であります。
とりあえず開始直後の殺陣でもう参りました。風呂で襲われたため、全裸で立ち回りを始めるのです。これがまた見事な立ち回りで、走り回り飛び跳ねながら、周りを囲む博徒たちを斬り殺していきます。
しかも全裸で、血飛沫を浴びながら。
全裸で斬りまくり、血まみれになる池玲子。
切り落とされた腕が飛んで行ったり、細やかな演出にも心奪われます。
また、同時進行する複雑なストーリー展開も凄い。
スウェーデンの人気ポルノ女優であったクリスチーナ・リンドバーグを出演させることを前提に脚本を作られたのでしょうが、外国人の女スパイなどを絡めるサブ・ストーリーを無理なく収めていく脚本の手腕に驚きです。
「レッスンを始める」などと日本語訳をでかい字で映しながら展開されるクリスチーナの濡れ場はとってもキュートで、こりゃ日本に呼んだ甲斐がありますな。
その他、池玲子が捕まって半裸で拷問されるシーンなどもあり、素敵な場面が盛りだくさん。何度も繰り返しますが、これだけてんこ盛りな内容を収める脚本はとにかくお見事です。
「エログロ」と言うことが憚られる、粋で洒落てる演出も素晴らしい。降り積もる雪が花札へと姿を変えていく幻想的なラスト・シーンの美しさといったら!