本日の1本 女必殺拳

 女必殺拳

女必殺拳 [DVD]

女必殺拳 [DVD]

 
 香港警察麻薬Gメンの兄を探して日本へやって来た李紅竜。日本の麻薬王のもとには世界中から格闘家たちが集められているが、彼女は単身、麻薬組織に乗り込んで行く、、、というストーリーです。
 
 志穂美悦子主演のカンフー・シリーズ第一弾。1974年公開の作品です。
 監督は山口和彦、脚本はの鈴木則文掛札昌裕、撮影は中島芳男が担当。もちろん千葉真一も出演しています。
 
 ストーリーの流れはまぁカンフー映画の王道とも言えるものですが、しかしながら敵・味方の格闘家たちの描き方は、まるで特撮ヒーロー作品そのまんまです。
 新たなキャラが登場するたびに、「タイ式キックボクシング アマゾネス7」「南半球空手チャンピオン エバ・パリッシュ」「蒼心流武術 スピンゲル」などと画面いっぱいに紹介テロップが映し出されます。あぁ、このノリがたまらない・・・。
 
 まず度肝を抜かれたのがこの男、「高砂流吹矢 鉄頭僧」。東京の街中をこんな奴が歩いてたら、目立って仕方ないぞ!
 
 麻薬組織のアジトが洞窟っぽい地下にあったり、ラスボスとの戦いの場は海岸縁の岩場だったり、こりゃもう仮面ライダーの世界ですな。というか、志穂美悦子の兄役は宮内洋ですし。ビジンダー仮面ライダーV3の組み合わせですよ。
 
 じゃあ子供と一緒に楽しめる作品かといえば全くそうではなく、例えば随所に意味なくエロなシーンが挿入されたりしてます。
 
 志穂美悦子の妹役はレイプされたりしてますしね。
 
 そして何より、アクション・シーンがとにかくグロいのです。完全にスプラッタ・ホラーの世界。
 主人公の志穂美悦子は全くもって容赦なし。鎖ガマの達人と闘えば、相手のカマを奪って目に突き刺します。圧巻は山本昌平との闘い。首をグキッとへし折り、180度回転させてしまいます。
  
 
 もっと酷いのが助っ人の千葉真一。相手の顔面をガラスの破片まみれにしたり。圧巻は相手の身体に手刀を突き刺す必殺技。「直撃!地獄拳」では突き刺した手でアバラ骨を折り取ってましたが、今回は、なんと腹に突き刺した手で内臓をえぐり出します。おいおい・・・。
  
 
 こんな作品が単なるエログロ路線のバカ映画に終わってないのは、カメラ・ワークと音楽のカッコ良さに尽きます。息つけぬスピーディでスリリングな展開を支える映像と音楽は本当に素晴らしいですよ。
 
 ラスボスはシー・キエンみたいに「鉄の爪」を装着した男。志穂美悦子と2人で(太い)ワイアーで吊られ、空中戦を演じます。
 
 どうです、この間の抜けたカッコ良さ!