本日の1枚 邪 ゴースト・オーメン

 邪 ゴースト・オーメン

邪 ゴースト・オーメン [DVD]

邪 ゴースト・オーメン [DVD]

 
 資産家の女性、秀英と結婚した楊。しかし、結婚後に家は没落、楊は病弱な秀英と使用人に暴力を振るう。ある日、かつて世話になった者の娘という綺華が訪ねてきて、無償で秀英の介助を申し出る。楊に暴行を受けた綺華は、秀英とともに楊を殺害してしまう。その後、秀英は楊の幽霊に悩まされ、ついに死んでしまう。ところが、死んだはずの楊は生きていた。綺華と組んで、家を乗っ取る計画を立てていたのだ。しかし、今度は秀英の霊が現れ、、、というストーリーです。
 
 香港の石井輝男?、奇才カイ・チーホン監督による1980年の作品。
 前述のストーリーのとおり、基本的にはノーマルな怪談が軸になっております。ところが、その軸から派生する枝葉な部分がとにかくハチャメチャ。
 幽霊を見たカタズケ屋が部屋の中で失禁したり、事態に気付いたタバコ屋が包丁を持った楊に屋根の上まで追いかけ回されたり、ヘビや何やかやの小道具がやたらと画面に登場したり。
 とにかく印象的な映像で埋め尽くしてやろうという意気込みが感じられます。
 全然たいしたことのないストーリー展開にも関わらず、俳優たちの演技も含め、必要以上にテンションの高い映像に圧倒されてしまいます。
 
 うーむ、なんか凄いなぁ。
 ゾンビ化を恐れて死んだ妻の死体を切り刻むシーンなんか、直前まで映っていた女性の死体が、切り刻む瞬間にどう見ても似ても似つかぬハリボテになってしまいます。
 ところが、半狂乱で包丁を振り回す男の迫力に、そのハリボテに対する可笑しさも吹っ飛んでしまうのですよ。
 
 全体的になんだか凄みを感じる作品なのですが、クライマックスの除霊シーン以降はその全てを忘れさせるほどの強烈さ。
 一人残された綺華のために、何の必然性もなく、全裸の女性がクネクネとエロいダンスを踊って除霊するんです。
 陰毛も丸見えです。
 そしてこのシーン、必要以上に長い。ただ全裸ダンスが延々と続きます。
 
 さらに、綺華まで全裸になり、身体中に魔除けの文字を書かれます。
 もちろんここでも、陰毛は丸見えです。
 
 しかし、耳に文字を書き忘れていた綺華は、その耳を悪霊に奪われ、、、て、まんま耳なし芳一じゃないか!
 
 
 香港映画の奥深さを感じるこの作品、せっかくDVD化されたんだから、多くの方にご覧いただきたいものです。