本日の1枚 流線形と比屋定篤子

 流線形と比屋定篤子 / ナチュラル・ウーマン (CD)

ナチュラル・ウーマン

ナチュラル・ウーマン

 
 沖縄出身のシンガー、比屋定篤子をヴォーカルに迎えたアルバム。
 比屋定篤子の過去曲をセルフ・カヴァーしたりしていて、僕は彼女のファンだったりするので、この音でこの歌声で、てな喜びを感じております。
 音はまぁ従来どおりのシティ・ポップ志向なアルバムなんですけれど、そのクオリティはますます濃密になっていますね。ティンパン系のファンだけでなくとも、納得の完成度の高さ。
 主張しすぎない甘さ、メロウさが歌声と交じり合い、じんわりとしたサウダージ感、静かなグルーヴ感、フワフワした浮遊感を押し上げます。いい曲ばかりだなぁ。
 比屋定ファンと書きましたが、実はあんまりモロにブラジルしてないシティ・ポップ系の過去作が好きなので、このアルバムはもうまさに僕の琴線に触れるモノなのでした。
 
 オープニング『ムーンライト・イブニング』は、さりげなく挿入されてくるスティール・パンが効いています。都会的にカリビアンな味付けが好いなぁ。
 続く『あたらしい日々』は、イントロのエレピのメロウさでもう参りました。「NOVO」の曲が頭に浮かびましたが、リズムも含め、ちょっとドナート的かな。キラメキなアレンジも素敵で、この曲が一番のお気に入りです。
 
 キラメキAORポップな大貫妙子『何もいらない』のカヴァー、思い切りTOTO風な『まわれ まわれ』、
 選曲センスに参った八神純子のカヴァー『サマー・イン・サマー』、イントロのくぐもったグルーヴィさもデオダート的な『メビウス』など、どの曲も素晴らしい。
 ラストの『ナチュラル・ウーマン』は、ふんわりメロウ・フローターなクロスオーヴァー・ポップ。心地良さと多幸感に包まれる逸品です。
 
 
 ナチュラル・ウーマン