本日の1枚 Klaus Nomi

 Klaus Nomi / Klaus Nomi (CD)

オペラ・ロック(紙ジャケット仕様)

オペラ・ロック(紙ジャケット仕様)

 
 エイズで夭折した異端のシンガー、クラウス・ノミが1981年にリリースしたファースト・アルバム。邦題は「オペラ・ロック」。
 珍妙なルックスとウラ声の響きにより、当時中学生だった僕はすっかり虜になってしまいました。
 イメージどおりの珍妙さと、それ程ディープでもないアングラっぽさ、そしてエクスペリメンタルさと普通に楽しめるポップさなど、決してキワモノに終わらせない音楽性が素敵であります。
 例えば、オペラ曲をエレクトロニクスたっぷりにアレンジした『Cold Song』を聴くと、彼がいかに真摯に取り組んでいたかがうかがえますね。
 
 『Lightning Strikes』は「恋のひらめき」のカヴァーなんですけど、ファルセットの代わりに歌い上げられるオペラ唱法が妙にハマっています。テクノ・ポップな曲調とキュートな女性コーラスとかも好いんですけど。
 ピコピコした音とノミの歌声の相性も素敵な『Nomi Song』、つい涙腺が緩んでしまう『Cold Song』とか、実にいい曲。
 
 中でもやはり一番のお気に入りは『Total Eclipse』ですね。堅めのテクノ・ポップ・サウンドを背景に、硬質な歌声がサビ部分でカウンター・テナーに跳躍する珍妙なカッコ良さに参ります。
 本当にカッコいいものは、ちょっと笑えるのだ。
 
 ちなみに、映画「ノミ・ソング」はまだ観ておりません。しまった、なんとなくすっかり忘れちゃってた。こりゃいかん、さっそく観なきゃ!
 
 
 Lightning Strikes
 
 
 Total Eclipse (live)