本日の１枚 ノミ・ソング

　ノミ・ソング

ノミ・ソング [DVD]

　
　1980年代、ニュー・ヨークのニュー・ウェーブ界に君臨した異色のシンガー、そして最初にエイズで死んだアーティストとしても名を残したクラウス・ノミの半生を綴ったドキュメンタリー作品。
　
　突如として現れ、そして突如としてこの世を去ったまさに異星人ノミ。
　当時スネークマンショウで彼の歌声を聴いていた僕にとっては、とても興味深く観ました。
　ただ残念ながら、現存する当時のフィルムと関係者へのインタビューで構成されたこの作品、肝心の実写部分が少なすぎです。
　しかも過去に見たことのあるものが多く、なんかこう煮えきらない気持ちになります。これだけの資料でノミのことを語るのか。
　
　インタビュー部分では、死期を悟ったノミが故郷ドイツを訪れたというエピソードが興味深い。
　ニュー・ヨークでは異端であり続けた彼の、真に求めていた姿がどこにあったのか。
　
　それにしても、古くからの音楽仲間がこぞって売れてからのノミを悪く言ってるとこはちょっとなぁ。
　僕の大好きなアルバムなんてボロクソに貶されてるもの。
　もちろん神格化する必要なんてないですけど、もうちょっとリスペクトに溢れた作りにして欲しかった、と思ったり。