本日の1枚 Carl & Joanne Barry

 Carl & Joanne Barry / Holding On (CD)

ホールディング・オン

ホールディング・オン

 
 ジャズ・ギタリストのカール・バリーと、妻のヴォーカリストジョアン・バリーが残した夫婦デュオなアルバム。1984年のリリース。
 カールのメロウなセミアコ・ギターの音色と、ジョアンのしっとりしてるがソフトな感触の歌声が織りなす、ブラジリアン・テイストのクロスオーヴァーサウンドがとても心地良い。
 ブラジル風味は強く感じるものの、あくまでも「都会派ジャズ・アルバム」な佇まいなんですけど。
 
 まずは疾走感いっぱいの『Afternoon』でスタート。じんわり始まって一気に加速する手法はありがちだけど、その高揚感はやっぱカッコいいし。
 続く『Holding On』は、ボッサ・ジャズな味わい。ちょっとアダルトしすぎなアレンジは微妙であるが、後半のスキャットの浮遊感は素晴らしい。
 
 『Roller Coaster』は、これまたタイトルどおりに疾走感が素敵。重たいがスウィンギンなサウンドの上を駆け回るスキャットが好し。
 同様に軽快な『Circles』とか、サバービアとかそっち系でよく紹介されていたことも頷けます。
 
 お気に入りはやっぱ『As I Look At The World』。高速なサンバ・ジャズなんですけど、地を這うベースが弾き出すグルーヴ感がとにかくカッコ良い。
 跳ね回るスキャットはどこか人間離れしていて、まぁアーシュラやフローラとかもそうなんですけど、異世界に引きずり込まれそうな空間をねじ曲げる引力を持ってるんですよ。
 
<収録曲>
 01. Afternoon
 02. Holding On
 03. Roller Coaster
 04. Love Is Stronger Far Than We
 05. As I Look At The World
 06. Footprints
 07. Circles
 08. But You Are Gone