本日の1冊 ゴーレム100

ゴーレム 100 (未来の文学)

ゴーレム 100 (未来の文学)

 22世紀のスラム都市で連続発生する陰惨な殺人事件。セレブたちがお遊びで召還した悪魔の仕業と気付いた科学者たちは、ドラッグで別世界にトリップすることによりゴーレムに挑む。
 SF作家アルフレッド・ベスター、1980年の作品。噂以上の怪作で参っちゃいました。
 冒頭からスプラッタな惨殺シーンが続き、そして下品な言葉が次々と繰り出されながら珍奇な物語が展開していく。
 しかしながら単なるエログロに終わらず、不思議なことになぜか常にピュアな視線を意識させられます。内省的な探究心も強く。
 文体を破壊してイラストで延々と表現される、グネグネしたバッド・トリップ感もまた素晴らしい。