本日の1枚 Joanna Cazden

 Joanna Cazden / The Greatest Illusion (CD)

THE GREATEST ILLUSION (+3)

THE GREATEST ILLUSION (+3)

 米国ボストン出身の女性フォーク・シンガーが、1976年にカナダで自主制作したアルバム。幻の名磐だったそうですが、韓国Bella Terraから再発されております。
 レコ屋の謳い文句では「アシッド・フォーク版キャロル・キング」なんて書かれているのですよ。
 
 基本的にはアコギの弾き語りなんですけど、美しいメロディをかなり力強い歌声で辿っていきます。
 ヒッピー的な要素もあるものの、どちらかといえばアシッド色は薄いように思えました。
 なんと言いましょう、普通に素敵なフォーク・ソングであります。1つ1つの音や声にこめられた「思い」を強く感じるような。
 
 まず冒頭の『Songs Again』は、ピアノの音色とともにグッと力が入る高貴な盛り上がりが素敵。
 『Growing Pains』とかでも、コーラスが入ると同時に一気に雰囲気が変わる、その曲調を操るセンスが好いですね。
 
 無音のタメに心奪われる『Gone Beyond』、民族的なアカペラも神々しい『Praise To The Dispeller Of Darkness』なども好いですが、
 英国フォーク好きとしては、気品のある高音ヴォーカルと弦楽器による幽玄な響きが広がる『Freeway』がお気に入りでした。
 
 個人的にはもうちょっと可愛らしい歌声のほうが好みなんですけどね。
 まぁでも、地味なアルバムですが、噂どおりに「名磐」でありましょう。