本日の1枚 Lamp

 Lamp / そよ風アパートメント201 (CD)

そよ風アパートメント201

そよ風アパートメント201

 
 Lampのファースト・ミニ・アルバム。2003年のリリース。
 まぁどう聴いてもブラジルやソフト・ロックシティ・ポップや何かに影響されてる音であります。ただ、そんな音楽志向なグループは多々あれど、Lampが突出しているのはなぜでしょう。
 柔らかくスウィートな浮遊感にこめられた切ない哀愁、とても耳に優しく親しみやすい美しいメロディ、微妙にヘタウマなヴォーカル、何気なく素敵な歌詞、空気の淡い揺らぎ、・・・。
 などと1つ1つの要素を挙げるのは的外れでしょう。緻密に構築された楽曲全体の世界観が素晴らしいのです。
 
 オープニングの『風の午後に』は、冒頭から軽やかなパーカッションと浮遊感いっぱいの歌声が素晴らしい。
 親しみやすいがどこかグニャリとした感触のメロディも好く、榊原香保里の舌足らずな声がすごく「青春」っぽく響くのですよ。キュートなスキャットにもグッときますし。
 
 メロウ・グルーヴィなシティ・ポップ系の『街は雨降り』は、煌めくエレピの音色も素敵。
 ボッサ・ポップな『雨足はやく』は、柔らかなアレンジだけにとどまらず、空気の揺らめきがとても強く感じられます。
 ヤング・ソウルな『今夜の二人』は、アッパーなリズムでもストリングスとかで浮遊感を押し上げます。ふわっとしたコーラスも好いんだなぁ。
 3拍子の『冬の喫茶店』は、パリ・ミュゼット的なノスタルジックさが好いし、オーソドックスなボッサ・ポップ『部屋の窓辺』も、淡い憂いがまた心地良い。
 
 
 風の午後に
 
 
 今夜の二人