本日の1枚 トクマルシューゴ

 トクマルシューゴ / ポート・エントロピー (CD)

ポート・エントロピー

ポート・エントロピー

 
 今年の春にリリースされた、4枚目のフル・アルバム。
 アコギやピアノなどの生楽器を中心に構成されるトイ・ポップなサウンドは、ジャケから想像されるとおりにキュートなんだけど、それだけでなく明確な世界観をもって構成されています。
 カラフルだけど淡い色調な音世界からは、日本人の琴線に触れるマジカルなポップさが溢れ出してきます。
 
 イントロの『Platform』も何気に好いですが、続く『Tracking Elevator』は、アコギの清涼な刻みと民族的にキャッチーなメロディから感じる軽やかな躍動感を心地良い。
 『Lahaha』も、アコギが主体ながら変則的に刻まれるリズム感が生み出す爽やかなグルーヴ感が素敵。そしてこれも少々和風民族音楽的であります。
 
 『Rum Hee』は、生音グルーヴィなサウンドでありながら、やはりトイ・ポップな肌触り。そして生音でありながら轟音ギターを聴いてるような錯覚に陥るアレンジが素晴らしい。
 『River Low』は、単語(タイトル)が繰り返されることでグルグル渦巻くようなグルーヴ感が巻き起こります。そして、1つ1つはキュートなトイ楽器の音色も、その渦で大きくうねらせます。
 この2曲が個人的にはかなりツボで、リピート対象となっております。
 
 オープニングの穏やかな雰囲気に次々とカラフルな色づけがされていく展開が素敵な『Laminate』、
 レゲエっぽいリズムと軽やかだがどこに行くのかわからない変則的なウクレレが素敵な『Malerina』とか、
 他にも好い曲はいっぱいありますが、でもやっぱ、いかにもトイ・ポップな『Drive-thru』がお気に入りかなぁ。練り込まれた各楽器の音色の配置が素敵すぎる曲であります。
 
 
 Rum Hee